の行政院直轄の6市を含め、22の県・市長や県・市議会議員など9種類の選挙が行われ、1万1000人
余が選出される。台湾史上最大の選挙と言われている。
6つの直轄市のひとつ新北市長選には、現職市長の朱立倫候補(中国国民党)と元行政院長の游
錫●候補(民進党)が有力視され、朱立倫候補の支持率が高い。
李登輝元総統は11月2日、游陣営の応援に駆けつけ、台湾がかかえている問題として、経済と政
治の停滞、指導者の独裁などによって民主主義が進んでいないとして、政治改革の必要性を強調、
特に民意を反映させるために第二次民主改革を行う必要があるとの持論を述べられた。中央通信社
が伝えている。
記事は、第二次民主改革は地方の健全な発展とかかわるように書かれているが、いまいちよく分
からない。実は今年3月30日、太陽花学運(ひまわり学生運動)が50万人デモを行う直前の28日、
李元総統は講演会で第二次民主改革について触れている。
李元総統がこれまで手掛けてきた第一次民主改革はすでに限界に達しているため、台湾の喫緊の
課題として行うべきは第二次民主改革で、過度に集中している中央への権力の分散、台湾各地がす
べて発展するメカニズムの構築、資源の公平な分配、各地の民衆が同レベルの基本的福祉を受けら
れるようにすることなどを挙げられていた。
当初、直轄市は中央政府の意向を反映させやすいシステムとして考えられていたようだが、近年
は地方自治体としての直轄市の力が強くなっている傾向がある。この傾向をさらに強め、民意をよ
りよく反映できる地方分権を進め、地方自治体の健全化をはかろうとするのが第二次民主改革のよ
うだ。
李元総統はこれまで日本の道州制に賛意を示す発言を何度かされている。権力が中央政府に集中
化している台湾特有の問題を念頭に置いてのことのようだ。
●=方方の下に土
李登輝元総統「台湾は2度目の民主改革が必要」
【中央通信社:2014年11月3 日】
http://japan.cna.com.tw/news/apol/201411030002.aspx
(台北 3日 中央社)李登輝元総統は2日、台湾は経済的困難と政治改革の停滞に直面していると
して、第2次民主改革を行う必要があると主張し、その際には若者に新しい考え方を打ち出しても
らいたいと語った。
李氏は国の指導者を選ぶのは重要なこととした上で、政治改革の停滞は地方の健全な発展を妨げ
ると語り、2度目の民主改革を実施すれば台湾の民主主義をさらに発展させられると自身の見解を
述べた。
また、今年3〜4月に中国大陸との「サービス貿易取り決め」に反対した“太陽花(ひまわり)学
生運動”の学生グループらが提案した「公民憲政会議」に関して、指導者や有識者らが国の未来を
考える機会になると評価。政権交代の準備をすべきだと強調した。
台湾では11月29日に統一地方選挙が予定されている。李氏は最適な人材を選び、着実に地方自治
に取り組むことが台湾の民主改革の推進に寄与すると呼びかけた。
【公民憲政会議】憲政体制、選挙制度と政党制度、両岸関係、人権保障、経済政策などを議題に、
政府関係者や専門家、有識者を交えて話し合い、2016年の総統選挙実施までに憲法改正などについ
ての合意形成を目指す会議。
(呂欣ケイ/編集:齊藤啓介)