本日発売の「文藝春秋」9月号が蔡英文総統への独占インタビューを掲載

【文春オンライン:2021年8月10日】https://bunshun.jp/articles/-/47678

 今年7月、中国の習近平国家主席が「台湾統一は歴史的任務」と決意表明。人民解放軍は台湾海峡周辺での軍事行動を活発化させ、台湾侵略の「Xデー」も取り沙汰されている。

 世界的な緊張感が高まる中、台湾の蔡英文総統は8月10日発売の「文藝春秋」9月号に登場した。聞き手は船橋洋一氏(アジア・パシフィック・イニシアティブ理事長)。海外メディアの単独インタビューに応じるのは、2020年1月の英国BBC以来、約1年半ぶりである。

 蔡総統は、武力を背景にした中国の覇権主義に対しては毅然とした姿勢を強調し、民主主義陣営の団結を呼びかけた。

「台湾の一貫した立場は、『圧力に屈服せず、支持を得ながらも暴走しない』というものです」

「民主主義、自由、人権は普遍的価値です。私共は北京当局に、香港やウイグルの人々への弾圧をやめるように呼び掛けていきます。日本も含めた民主主義陣営は、民主主義の価値を守るために今こそ団結すべきです」

 その上で、香港の自由・自治を奪った習近平体制が台湾への適用を狙う「1国2制度」については、断固たる「ノー」を表明した。

「北京政府は台湾に対し、香港と同じ『1国2制度』による統一を呼び掛けました。この制度が実現不可能であることは現在の香港によって証明されており、北京政府の言葉を信用するのは難しいです。北京政府による『1国2制度』の提案は、絶対に受け入れられません。将来の選択肢にさえ入っていません」

◆「日本が手を差し伸べてくださった」

 また、日本からのワクチン提供には「心からの感謝の意」を表明している。

「台湾のテレビ各局が(日本からのワクチン輸送を)中継で報じ、台湾の多くの国民が歓迎の意を込めて見守りました。私も飛行機が到着した様子を鮮明に覚えています。これも長期にわたっての友情が証明されたものであります。台湾が最も困難な時期に日本が援助の手を差し伸べてくださったことを、台湾の国民一同、心より、感謝しています」

 そして、「『まさかの時の友こそ真の友』とはこのことです」とし、日本と台湾の「善の循環」を次の世代に繋いでいく決意を示した。

 その他、半導体に代表されるハイテク分野で台湾が急成長できた秘訣など、インタビューは幅広いテーマに及んでいる。

◆台湾・蔡英文総統 単独インタビュー 「香港、ウイグルへの弾圧を北京当局がやめるよう呼びかける」聞き手・船橋洋一 https://bungeishunju.com/n/n5225d36172b2#yT4CT

◆「文藝春秋」2021年9月号(2021年8月10日 発売/定価1100円) https://bunshun.jp/articles/-/47780

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


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