本日、黄霊芝氏が叙勲(旭日小授章受章)! おめでとうございます

『黄霊芝物語』の岡!)郁子氏も「台湾文学家牛津奨」を受賞

 本日付で政府は平成18年度秋の叙勲受章者を発表し、『台湾俳句歳時記』(2003年、言
叢社)などを著している台湾の黄霊芝(本名:黄天驥)氏が旭日小授章を受章されました。

 これまで台湾の方が叙勲されたのは、平成17年(2005年)春、蔡茂豊氏(元東呉大学外
国語学院院長、日本語教育学会初代理事長)が戦後台湾における日本語教育の普及に寄与
したとして旭日中授章を受章されていますが、これは昭和47年(1972年)に日本と台湾が
断交して以来初となる記念すべき叙勲でした。

 蔡茂豊氏のこの叙勲には内田勝久・前日本交流協会台北事務所長(駐台湾大使に相当)
の尽力によるところが大きく、内田大使はその詳細を自著『大丈夫か、日台関係−「台湾
大使」の本音録』(2006年、産経新聞出版)につづっています。

 また、その年の秋の叙勲では李上甲氏(財団法人台日経済貿易発展基金会董事・常任特
別顧問、台日商務協議会秘書長)が日台間の経済交流促進に寄与したとして、旭日小綬章
を受章されています。

 黄霊芝氏の受章はそれに続く快挙です。心からお祝い申し上げます。

 平成16年(2004年)11月に黄霊芝氏が『台湾俳句歳時記』で第3回正岡子規国際俳句賞を
受賞された模様は同年11月11日発行の本誌第97号でも報道し、氏のプロフィールも併せて
紹介しましたが、ここに改めてそのプロフィールをご紹介します。

 なお、このプロフィールは岡!)郁子氏(吉備国際大学教授)が黄霊芝氏の小説などを研
究した労作『黄霊芝物語−ある日文台湾作家の軌跡』(2004年、研文出版)の「黄霊芝略
年譜」を参照しています。

 ちなみに、岡!)郁子氏はこの『黄霊芝物語』により「台湾文学家牛津奨」を受賞し、こ
の11月25日に台南の真理大学で授賞式が行われるそうです。併せて「黄霊芝文学会議」も
開催されるとのことですが、黄霊芝氏の叙勲と岡!)郁子氏の受賞が重なったことを心から
お祝い申し上げます。これぞまさに日台共栄です。弥栄(いやさか)!

                     メルマガ「日台共栄」編集長 柚原 正敬


黄霊芝氏(本名:黄天驥) 俳人・作家・彫刻家。
1928年(昭和3年)6月20日、台湾・台南市に9人兄弟の末っ子として生まれる。花園尋常高
等小学校、台南第一中学校を経て、1946年(同21年)、台湾大学外文系に入学するも翌年
に喀血し中退。1956年(同31年)、日本人が集まって創立した俳句の会『台北相思樹会』
に入会。1963年(同38年)、彫塑「盲女」で第17届省展特選第1位。1968年、呉建堂氏主宰
の「台北歌壇」に入会。1970年、中篇小説『蟹』(中文)で第1届呉濁流文学奨受賞し、翌
年、その日文を「岡山日報」に連載。1970年から水面下で日本語による「台北俳句会」の
活動を始め、翌年から『台北俳句集』を刊行しつづけ、1993年に正式発足。著書に『黄霊
芝作品集』。編著に『台湾俳句集』30巻。2003年に台湾特有の季語を集め、それぞれ329文
字で解説し例句8句を載せた『台湾俳句歳時記』(言叢社)を刊行。



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