リオデジャネイロのオリンピックでも「台湾」ではなく「中華台北(チャイニーズ・タイペイ)」
だった。
中華台北(チャイニーズ・タイペイ)となった歴史的経緯は複雑だ。台湾の中華民国政府が「台
湾」や「フォルモサ」という名称を使うことを拒んだ経緯もある。
1月の立法委員選挙で当選した時代力量のフレディこと林昶佐議員は2月23日、立法院で初質問に
立っているが、このときの質問が「中華台北(チャイニーズ・タイペイ)」についてだった。林議
員は「台湾が国際競技会で中華台北(チャイニーズ・タイペイ)と呼ばれるならば、そして大陸側
と対等と言うなら、大陸のチームは中華北京(チャイニーズ北京)」と呼ばねばならない」と舌鋒
鋭く質問した。
本会も数年前にこの問題を取り上げたが、そもそも台湾のオリンピック委員会の名称は国際オリ
ンピック委員会(IOC)よって「チャイニーズ・タイペイ(Chinese Taipei)」と認定されてい
て、台湾にあるオリンピック委員会が同意していることが問題だ。
すなわち、国際オリンピック委員会やその名称を受け入れている台湾の「中華奧林匹克委員會」
(チャイニーズタイペイオリンピック委員会)、そして台湾の名称に反対している中華人民共和国
などを相手にする名称変更問題だ。ハードルはかなり高い。
しかし、台湾の人々が中華台北(チャイニーズ・タイペイ)ではなく台湾でオリンピックに参加
しようと言い出すなら、解決への糸口はある。
林昶佐議員が先陣を切り、このたび同じ時代力量の徐永明・立法委員が日本で展開されている活
動に呼応し「2020年の東京五輪には『チャイニーズ・タイペイ』(中華台北)ではなく、『台湾』
で出場したい」と表明したという。中央通信社の記事を下記に紹介したい。
2020年の東京オリンピックには、ぜひ「台湾」で出場して欲しいものだ。
「東京五輪には『台湾代表』で出場」=野党国会議員が名称変更支持
【中央通信社:2016年8月28日】
(台北 28日 中央社)野党・時代力量の徐永明立法委員(国会議員)は27日、会員制交流サイト
を更新し、スポーツの国際大会などで使用されている中華民国(台湾)代表の名義について、
「2020年の東京五輪には『チャイニーズ・タイペイ』(中華台北)ではなく、『台湾』で出場した
い」との考えを示した。
徐氏は、「2014年のヒマワリ学生運動や今年の総統・立法委員選挙の結果は、台湾人の台湾人ア
イデンティティーを国際社会にアピールした」と強調。インターネット上で行われている関連の署
名活動には4万9000人が賛同したとして、名義変更実現に期待を寄せた。
また、「台湾選手が勝ち取った栄誉は台湾人の栄誉だ」「チャイニーズ・タイペイは国の名称で
はなく、台湾人の別名でもない」などと語り、台湾と日本の民間の力を合わせ、名実ともに「台湾
代表」を五輪に出場させたいとしている。
(陳俊華/編集:齊藤啓介)