早川友久氏が月刊「WiLL」5月号に台湾産パイナップルを巡る問題について寄稿

 李登輝元総統秘書の早川友久氏が月刊「WiLL」5月号(3月26日発売)に「台湾パイナップルを食べて『恩返し』しよう」と題して寄稿している。

 本誌でも、中国が突然、理由にもならない理由をつけて台湾産パイナップルの輸入を全面停止した問題を取り上げてきたところだが、早川氏は中国側の停止理由だった「カイガラムシ」混入問題について、日本がパイナップルを輸入した台湾とフィリピンの事例を詳しく紹介し、フィリピン産パイナップルの場合、「2020年の統計によれば、輸入量約15万5千トンのうち、消毒(燻蒸)処理されたのは実に85%にあたる13万3千トンだった」と記し、燻蒸処理すればまったく問題なく受け入れられている事実を示し、完膚なきまでに中国の停止理由を論破している。

 また、台湾にとって大事なことは「台湾を応援したいから買う、のではなく、その価値を認めるから買う、というレベルにまで引き上げる」ことで、新しい価値を生み出す「台湾ブランド」の創造こそ台湾に求められているイノベーションだとも説く。

 まさにその通りだろう。台湾はすでに世界に冠たる半導体メーカーを創り上げている事例を出すまでもなく、台湾が中国依存を脱するためのキーポイントこそ「台湾ブランド」を創り上げることだ。

 さらに、日本に対しても「中国の脅威を最前線で受けている台湾に対し、日本独自の支援策」の整備は日本の国益にもなるとして、「日本版台湾関係法」制定の検討を含め、日台関係の再構築を求めている。

 フィリピンから輸入するバナナやパイナップルには関税がほとんどかからないが、台湾のバナナやパイナップルには10%以上の関税がかかっているという。早川氏も、関税撤廃となるTPP11ことCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定)に台湾を加盟させるよう日本は強力に後押しすべきと説いている。もちろん、本会の政策提言で求めたように、国交がなくとも締結できる自由貿易協定(FTA)を台湾と結ぶことも選択肢の一つだろう。

 台湾産パイナップル問題で浮かび上がった台湾と日本がともに乗り越えなければならない問題を的確に拾い上げている早川氏の論考をぜひお読みください。

◆月刊「WiLL」5月号(2021年3月26日発売、定価950円) http://web-wac.co.jp/magazine/will/2021%e5%b9%b45%e6%9c%88%e5%8f%b7

—————————————————————————————–【WiLL5月号】書きました。【Facebook「台湾民主化の父 李登輝元総統の日本人秘書 早川友久」:2021年3月26日】https://m.facebook.com/login.php?next=https%3A%2F%2Fm.facebook.com%2Fritoukitaiwan&refsrc=deprecated&_rdr

 2月末、突如として通告された中国による台湾産パイナップルの輸入禁止。理由とされた害虫については青果輸出関係者によると「取るに足らないもの」で、中国の政治的思惑が見え隠れします。

 しかも中国には、過去にもフィリピンから台湾への鞍替えという「前科」もありました。蔡英文政権の危機管理が甘かったと言わざるを得ません。現在、いくつかの品種で中国に輸出依存しているものがあるので早急な対応が求められます。

 3.11から10周年の直前と重なったこともあり、多くの日本の皆さんが手を差し伸べて下さいました。結果的に日本の輸入量は激増し、失われた対中国向け輸出量は補填できたようです。

こうした事態を前に、台湾はそして日台はどのように対処していくべきか、私なりの考えを書かせていただいています。

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


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