日本李登輝友の会の皆様へ 李 登輝(元台湾総統)

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
 年頭にあたり、昨年8月、李登輝元総統から本会にいただいたメッセージをご紹介申し上
げます。


日本李登輝友の会の皆様へ

                              台湾元総統 李  登 輝

 日本李登輝友の会は、2002年12月に設立されました。昨年11月に設立した高知県支部を
入れますと、計23の支部が作られ、目下、茨城県と鹿児島県で設立の準備をしていること
を伺っております。

 日本李登輝友の会は、このように常に成長をし続け、今では日本社会でも無視できない
力となっております。私は何回か日本を訪問しましたが、その都度、小田村会長率いる幹
部の方々の熱烈な歓迎にあずかり、生涯忘れることはありません。

 日本李登輝友の会設立の主旨は、「李登輝氏の日台運命共同体理念に賛同し、新しい日
台関係を構築する」ことにあり、この目標達成ために日本李登輝友の会は常にゆるぎない
努力を重ねておられます。

 例を挙げますと、講演会やフォーラムの開催をはじめ、「メールマガジン日台共栄」の
発行、台日姉妹市の提携の協力等です。この9年間、これらの哲学を実践する皆さんは、街
頭での署名運動に止まらず、さらに国会議員などに働きかけて台湾関係の法案を支持して
いただいた結果、日本政府は台湾人民にノービザ制度の適用を決定し、また日本へ赴く台
湾人民の外国人登録証は、従来の「中国」から「台湾」に変わりました。さらに、台湾の
ドライバーライセンスで日本の運転免許証も取得できる政策を勝ち取り、ここにおられる
皆さんの努力は確実に報われております。

 一昨年、日本のテレビ会社が制作した台湾の番組で、日本統治時代の歴史観に公平妥当
でない点がありましたが、それに対して、日本李登輝友の会は即、抗議行動を展開しまし
た。私はこうした義を尽くした毅然とした態度と勇気に、深く感動いたしました。

 また、日本の帝国書院と東京書籍が出版した中学校社会科の地図帳に、台湾が中国の領
土として列せられたり、一九四五年に台湾が中国に返還されたなどと記述している問題が
発生しました。

 これらの観点は、従来の日本政府の見解に反するだけではなく、事実と異なります。日
本李登輝友の会は文部科学大臣に訂正要望書を提出したのみならず、国会議員を通じて日
本政府に「質問主意書」を出しました。日本政府は相変わらず事なかれ主義を通しており、
小田村会長は署名運動を展開するなどして日本人の注意を喚起しています。

 さらに、今年に入ってからは、日本に住む台湾出身者の戸籍の国籍が中国にされている
ことから、日本李登輝友の会は先頭を切ってこの改正運動に取り組んでいます。小田村会
長は国会議員にも働きかけ、外務委員会で取り上げられたり、質問主意書が提出されまし
た。

 この戸籍問題は外国人登録証明書と同じで、日本国民が第二次世界大戦終了後の日台米
の歴史をよく理解していないことがそもそもの原因であると思われます。台湾人は中国人
ではなく、台湾は中国の領土ではないのですから改正するのは当然のことです。

 2004年から日本李登輝友の会は各界に呼びかけ、「台湾李登輝学校研修団」を結成して、
台湾へ実地研修を開始しました。これまでに合わせて500人余りの研修生を輩出したことに
なり、効果抜群の一言に尽きます。

 この「台湾李登輝学校研修団」ですが、私が感心して止まないところは、団員の皆さん
の目的が、街の散策でもなければショッピングでもなく、台湾の政治や経済をはじめ、歴
史、文化などの課程の講義を受け、さらに八田與一氏が建設した烏山頭ダムなどの重要な
歴史地点をまわることに貫徹しておられる点です。皆さんの情熱と知識欲、積極的な学習
態度には頭が下がります。

 私は、台湾李登輝学校研修団の卒業生の皆さんは、日本に帰られた後、それぞれが「李
登輝の思想」を伝播していく方々であると信じております。両国の相互認識と友情を強化
する上で、非常に大きな意義を有していると思います。

 日本李登輝友の会はまた、2006年から河津桜の苗木を寄贈して下さり、今では台湾の各
地に植えられ、遠くは台湾南部の屏東車城にまでその花を咲かせております。今後もこれ
ら台日の友好を象徴する桜はうるわしい花を咲かせ、両国民の友好の証になるにちがいあ
りません。

 目下、台湾と日本の間に正式な外交関係がないため、民間交流がとても大事であり、そ
の点で日本李登輝友の会は台湾の李登輝民主協会と姉妹提携しており、両国の民間交流を
強化する重要な役割を担っています。

 私は90となりましたが、まだまだ台湾のため頑張ります。小田村会長はじめ日本李登輝
友の会の皆様、台湾と日本が運命共同体であることを肝に銘じ、両国の心と心の絆をさら
に深めてまいりましょう。

                     【2011(平成23)年8月19日、群策會にて】



◆ 日本李登輝友の会「入会のご案内」

  入会案内 http://www.ritouki.jp/guidance.html
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