されて以降、45年目にして最大の功績と言って過言ではない。台湾政府が「台湾と日本の双方関係
が前向きに進展していることを意味する」と歓迎の意向を表明し、台湾メディアも「今回の動き
は、創設以来の大きな突破と言える」「日台関係のさらなる大きな一歩」などと歓迎する記事を報
じた。
1月3日、新しい名称「日本台湾交流協会台北事務所」のプレート除幕式が開かれ、台湾側カウン
ターパートの亜東関係協会から邱義仁・会長、蔡明耀・秘書長、外交部の李澄然・常務次長が出席
した。その模様を「NNA ASIA」が伝え、亜東関係協会の邱会長が名称変更の意義について「単なる
改名を超えた深い意義がある。その影響は広く海外に及ぶだろう」と述べたと報じている。下記に
その記事をご紹介したい。
中国が「二つの中国、一中国、一台湾を作り出そうとする狙い」があるとして強い反発を示した
のは、まさに「改名を超えた深い意義」を敏感に察知したからに他ならない。日本は断交後45年目
にして、中国の唱える「一つの中国」という桎梏から抜け出し、ようやく台湾を台湾として認めた
証がこの改称だ。
台湾にある各国の在外公館の名称についてはすでに本誌で触れたが、アメリカは「米国在台湾協
会(AIT:American Institute in Taiwan)」、フランスは「フランス在台協会(La France
● Taiwan)」と、自国名とともに台湾を入れている(●=aの上に`)。イギリスも昨年、それま
での「英国貿易文化事務所」を「英国在台事務所」という名称に変更したという。
日本台湾交流協会への改称は、日台の国交正常化に向けた第一歩だ。小さな一歩だが重要な一歩
であることは、いくら強調してもし過ぎることはない。
勇を振るって中国の圧力に抗し、天皇誕生日祝賀レセプションや叙勲を再開した故内田勝久(う
ちだ・かつひさ)代表とともに、改称問題を解決した沼田幹夫(ぬまた・みきお)代表の名前も後
世に語り継がれることだろう。
すでに許世楷・元台北駐日経済文化代表処代表は、日本の窓口機関の本部である交流協会が名称
を変更するなら、台湾も本部である亜東関係協会の名称を変更したらどうかと提案し、台湾の外交
部も検討に入っている。
昨年の日台関係は過去に例がないほどの深化を遂げた。今年はその昨年を上回る深化の年になり
そうな気配が濃厚だ。
◆新名称の除幕式開催 日本台湾交流協会[産経新聞]
http://www.sankei.com/photo/story/news/170103/sty1701030008-n1.html
対台湾窓口、「日本台湾交流協会」に名称変更
【NNA ASIA:2017年1月4日】
日本の対台湾窓口機関で公益財団法人の交流協会は今月1日から、名称を「日本台湾交流協会」
に変更した。3日に新名称プレートの除幕式が開かれ、台湾メディアは改名を「日台関係のさらな
る大きな一歩」などと伝えた。
除幕式には同協会台北事務所の沼田幹夫代表、台湾の対日窓口機関である亜東関係協会の邱義仁
会長、台湾外交部(外務省)の李澄然常務次長らが出席。沼田代表は、日本政府が財団法人名義で
1972年12月1日に交流協会を設立した当時、年間10数億米ドル(約1,180億円)程度だった日台間
の貿易総額は2015年に579億米ドルを超えたと指摘。双方の人的往来も20数万人から600万人に拡大
するなど「史上最良ともいわれる日台関係を背景に、設立45年の節目を新たな名称で迎えられるこ
とは望外の喜び。さらなる日台交流の強化と拡大に向けて一層の努力をしたい」と述べた。
亜東協会の邱会長も「今回の名称変更は、単なる改名を超えた深い意義がある。その影響は広く
海外に及ぶだろう」と述べ、名称変更の取り組みを評価した。
沼田代表によると、昨年初に台湾で交流協会の認知度を独自調査したところ、「知っている」
「意味が分かる」と答えた市民は回答者のわずか14%にとどまったという。これを受けて同協会は
名称変更の検討を開始。新たな名称で日本と台湾の交流を担うそれぞれの対象を明確にすると同時
に、市民の認知度の向上も図る考えだ。
シンボルマークは従来のデザインを継承するが、ロゴタイプは「日本」の「日」に台湾の「国
花」である梅の花を、「台湾」の「台」には日本の国花である桜をあしらい、日本と台湾の密接な
関係を強調したものに変更された。