日台共栄首長連盟が岸田総理に日台間の法的整備などを求め「要請書」を手交

 全国の市町村長を会員とする「日台共栄首長(くびちょう)連盟」(会長:宮元陸・加賀市長 会員:136名)は昨日(6月15日)午後2時過ぎ、総理官邸において宮元会長から岸田文雄総理に「日台間の法的整備(仮称『日台関係法』の制定等)を進める」ことなど3項からなる「日本と台湾との一層の関係強化および中国による覇権的行動に対して一層の毅然とした対応を求める要請書」を手渡しました。

 同連盟は、本会が提案してきた「日台交流基本法の制定」に賛同する首長により一昨年12月23日に設立され、昨年11月の第2回総会において、今年度の事業計画の第一に「日本政府への要請活動」を行うとして「台湾有事が日本へ及ぼす影響に鑑み、日本と台湾が安全保障を含む政府間対話が実現するよう、法整備の一環として『日台関係基本法』の制定と、あわせて我が国の防衛力と有事対応策を一層強化するよう、政府へ要請する」ことを可決したことによります。

 総理官邸に赴いたのは役員16名のうちの下記8名です。

 宮元 陸・会長(加賀市長) 野田義和・副会長(東大阪市長) 萩原誠司・副会長(美作市長) 吉田信解・幹事長(本庄市長) 中山義隆・副幹事長(石垣市長) 鈴木和夫・監事(白河市長) 糸数健一・幹事(与那国町長)

 昨日の模様は、同行した本会の柚原事務局長によりますと下記のような次第だったそうです。

 岸田総理は約束の時間より5分ほど遅れて部屋に入って来ましたが、予定時間を10分ほどオーバーして参加者全員の話に耳を傾けていただいたそうです。

 冒頭、宮元会長から「要請書」の趣旨について「毅然とした意思表示を示すことが重要。台湾は世界でもっとも親日的な国であり、台湾有事の話が出ているにもかかわらず、日本国内には切迫感が感じられない。台湾とは米国の台湾関係法のような法的な裏付けがいま必要であり、総理が中心となってお力添えをいただきたい」と説明。

 そこで、最前線で苦労されている与那国町の糸数町長と石垣市の中山市長から、どのような懸念をいだいているかを台湾有事の際の住民避難対策の遅れなどについて具体的に説明したとのことです。

 岸田総理は他の首長からの話にも熱心に耳を傾け、最後に吉田市長が「要請書にしっかり目を通していただきたい」と念押しの発言で締めくくったそうです。

 その後、岸田総理は「要請書」について下記のような感想を述べたそうです。

「台湾は、自由や民主主義、法治、人権などの基本的価値観を共有し、経済交流や人的交流も盛んな大事なパートナーであり、大切な友人です。

 国のレベル、政府レベルのかかわりは大事ですが、国際的な関係を考えると、基本は民間交流や地方交流。自治体交流は大事なパートナーとの関係を維持してゆくうえで重要な取り組みで、首長さんたちが連盟を作って活動していることは大きな意義があると思います。

 その上で、この台湾との大切な関係を今後どうしていくのか、国際情勢がどんどん変化する中でどうするのかを考えなければならない。

 日台関係を強化するためには法的な裏付けが必要ではないかとご提案いただいた。『はい、そうですか』と言ってできる話ではないので、ご提案を重く受け止め、政府として、特に自民党としてしっかり考えていかなければならない課題なのではないか。そういった思いを抱いて、しっかり要望を受け止めさせていただきます」

 昨日は、衆院解散をしないという大事な発表を控え、岸田総理も慌ただしい日だったにもかかわらず首長の声に耳を傾けていただき、首長さんたちも感謝していたそうです。

 別途、日台共栄首長連盟の「要請書」をご紹介します。

 なお、岸田総理との面談後、宮元会長は総理官邸詰めのメディアによる囲み取材を受けたそうですが、残念ながら日本メディアの報道はなかったようですが、台湾の「中央通信社」と「自由時報」が報道していましたので、下記にご紹介します。

◆日台共榮首長聯盟成員拜會日相 [目分]制訂日台關係法 【中央通迅社:2023年6月15日】 https://www.cna.com.tw/news/aipl/202306150404.aspx

◆日本地方首長拜會岸田 要求制定日台關係法 【自由時報:2023年6月15日】 https://news.ltn.com.tw/news/world/breakingnews/4335324

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※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


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