文科省が修学旅行資料で台湾を復活!  柚原 正敬(本会常務理事・事務局長)

東日本大震災以降、台湾への修学旅行を実施する高校や中学校が増えている。それにも
かかわらず、文部科学省は修学旅行先から「台湾」を排除してしまった。昭和61年から発
表している統計資料には台湾と中国を併記していたのにもかかわらず、今年4月に発表した
平成23年度の統計資料から台湾を消した。

 ところが、このことを衆議院の文部科学委員会所属の議員から質されると、あっさり再
調査に応じた。

 10月9日現在、文部科学省は未だホームページに再調査した統計資料(高等学校等におけ
る国際交流等の状況について)を掲載していないが、すでに統計資料は作成されている。
そこには台湾が明記され、なんと台湾が中国を上回っていた。

 平成20年度調査では、中国が全体の6位で 11,963人(97校)、台湾は7位の8,024人(55
校)だった。ところが、平成23年度では台湾が中国を逆転していた。

 台湾は12,762人(78校)で、前回調査より約4,700人、23校も増え、中国は9,312人(84
校)と約2,600人、13校も減り、台湾はアメリカ、オーストラリア、韓国、シンガポール、
マレーシアに次いで6位に浮上し、中国は7位となっていたのだ。

 台湾は中学校の修学旅行先でも中国を逆転しており、留学、教育交流などでも確実に増
えている。それは別の機会に譲るとして、ここでは、文科省が再調査するに至った経緯を
柚原事務局長が「日台共栄」10月号で執筆しているので紹介したい。

 上記の森靖喜氏の「台湾と私」と同じく、本会ホームページにPDF版も掲載している。

◆機関誌「日台共栄」10月号(33号)[文科省が修学旅行資料で台湾を復活!]PDF版
 http://www.ritouki.jp/magazine/magazine033.html


文科省が修学旅行資料で台湾を復活!─国会議員と連携して台湾修学旅行を推進
 
                       本会常務理事・事務局長 柚原 正敬
 

◆統計資料から台湾が消えた!?

 6月初旬のことだ。昨年、日本の高校が修学旅行で台湾を訪問したのは何校だったのかを
調べるため、文部科学省が作成している「高等学校における国際交流等の状況について」
(平成23年度)という統計資料に当たってみた。この統計資料は昭和61年から2年ごとに作
成していて、これまで調査項目の一つとして、高校生の「外国への修学旅行」も入ってい
ることを確認していたからだ。

 行き先国として、上から順にアメリカ、中国、オーストラリア、韓国、シンガポールと
ある。だが、台湾が見当たらない。おかしい。以前までは確かに、中国と台湾があったの
だが、台湾が消えている。念のため前年度の資料を確認すると、確かに台湾も中国もあっ
た。ところが、23年度では中国のみとなり、前回調査の97校から158校に増え、6位から2位
に上昇している。台湾を中国に含ませたのではないかと疑った。

 そこで、資料の1枚目を確認してみると「行先は29か国」となっている。これまで平成20
年度なら「行先は33カ国・地域」、平成18年度も「行先は34カ国・地域」となっていた。
しかし、平成23年度の資料では「国」のみの表記となっているため、やはり中国に台湾を
含ませてしまったのではないかという疑いを強くした。

◆なぜ台湾が消えたのか

 そこで、この統計資料を作成する文科省の国際教育課国際理解教育係に、次の文書を送
って問い合わせてみた。

〈平成20年度では、外国への修学旅行先の行先として「33カ国・地域」と記し、7番目に
「台湾」(55校)、6番目に「中国」(97校)が掲載されています。ところが、23年度では
「29か国」と表記が変わって台湾がなくなり、中国が158校に増えて記されています。

 ニュースなどでは東日本大震災への多大な台湾からの支援を知って、また中国の不穏な
社会情勢に鑑み、修学旅行の行先を中国から台湾に変更した高校が相次いだとのことで
す。しかし、文部科学省の統計では逆に中国が増えていることになっています。

 そこで質問です。

・23年度から台湾の表記がなくなったのは、なぜですか?
・23年度の中国には台湾が含まれているのですか?
・23年度の台湾への修学旅行高校は何校ですか?〉

 この文書が届いたころ、文科省に電話を入れて確認した。

 すると、調査は外務省のホームページに従い「訪問国はどこですか」という、国名を選
ぶ方式に変更したとの返答だった。また「台湾は中国に含まれるのか」と問うと、「含ま
れると判断して中国を選択したかもしれないし、その他と答えたケースもあるかもしれな
い」とのこと。そこで「それではこれまでの統計と比較できず、いったい何校が台湾に行
ったのか分からなくなるではないか」と問うと、「国名を問う調査ですから致し方ありま
せん」というにべもない返答だった。

 重ねて、国名を選ぶ方式にした理由を問うと、外務省のホームページと繰り返す。そこ
で「外務省のホームページには中華人民共和国(中国)は国名としているが、地域として
台湾・香港・マカオを掲載している」「昭和61年以来、台湾と中国の両方を掲載してきた
のに、23年度ではなぜ台湾を掲載しないのか」と返すと、しどろもどろになり「私は最近
この部署にきたので……」と埒が明かない。

◆文科委員会議員の尽力で再調査

 文科省とこんなやり取りをした直後のことだった。

 本会と協力して外登証問題を解決に導いた岸信夫・衆議院議員が会長をつとめる自民党
の「日台若手議連」が総会を開き、本会が招待されたので、小田村四郎会長や川村純彦常
務理事らととともに出席した。その席で、台湾への修学旅行のことを熱心に話す議員の方
と知り合い、文科省の杜撰な統計資料のことを伝えると「私は衆議院の文部科学委員会に
所属しているから、ぜひ資料を見せて欲しい」とのこと。そこで翌日、当該資料をお見せ
した。

 すると、1週間もしないうちに、議員の政策秘書から連絡があり、議員が担当する文科省
の国際教育課の課長と審議官に問い質したところ、あっさり「再調査」を約束したとのこ
と。何ともあっけない幕切れだった。

 念のため、国際理解教育係に確認すると「これから再調査する。調査対象校は平成23年
度資料で『中国』を選択した158校で、2ヵ月くらいかかるだろう」と淡々と見通しを述べ
る。本誌が出るころには、再調査の統計資料が文科省のホームページに掲載されているは
ずだ。

 本会は今年度の事業計画として「日台相互交流の推進」を掲げ「修学旅行や日台留学生
などの相互受け入れ、自治体や議会などによる姉妹提携や親善交流をめざした活動の促進
を図る」ことを目指している。

 今回の文科省への取り組みは台湾正名運動の一環でもあり、文科省によるこの是正措置
が台湾への修学旅行を増やす一助になることを願っている。


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