心が豊かになる「古い記憶のメロデイ」

大正11年生まれの台湾老人がホームページで懐かしい思い出の曲を紹介

 先般、会員の三田裕次さんから「台湾のご老人(大正11年生まれ)のHPです。
日本時代に台湾で歌われた歌が再現されています。私も全面的に「助太刀」して
います(古い楽譜の提供など)。声援を送ってあげて下さい」というメールをい
ただいた。
 「古い記憶のメロデイ」と題されたそのホームページを開いてみると、すぐ音
楽が流れてくる。哀切を帯びたそのメロデイには、確かに聞き覚えがある。「サ
ヨンの鐘」だった。
 「思い出の曲」「台湾の古い旋律」「軍歌、戦時歌謡」「人生雑談」など、い
ろいろなコーナーに分かれている。日本時代、台湾にあった学校の校歌、寮歌、
歌謡等まである。
 http://www.geocities.jp/abm168/index.html

 例えば「思い出の曲」をクリックしてみると、作詞者と作曲者、そして適用欄
が設けてあり「しょってるわ」「夜の調べ」「雨夜花」など65曲も入っている。
その中には「皇太子誕生祝歌1」という歌もあり、摘要欄には「S8年12月23日今
上天皇ご誕生祝賀歌」と記されている。
 また「雨夜花」を開くと、そのメロデイが流れてきて歌詞が現れる。下のほう
にミニ解説が付いていて「作曲者:?雨賢はS初年ごろ師範を出て教鞭を執り傍
ら作曲をはじめ、雨夜花、望春風が相継いで発表された、当時は未だ放送局がな
い為伝播が遅く数年後当地のコロムビヤレコードで売り出した機会に専属作曲四
大天王の一人となり五十首以上の良く唄われた歌曲を出し、終戦前年六月三十九
歳で世を去った。戦時中皇民化運動政策で「東田暁雨」と改名された、筆名:唐
崎夜雨(?雨賢の改名の誤りは三田裕次さんの資料で補正出来ました、ありがとう
。04/8/8)」とある。
 すごいものだ。知っている曲を拾い聞きしていると、なんとも心が豊かになる
。大正11年のお生まれということは、今年満83歳になる方が作成しているのだか
ら、驚く。
 歌の収集はたいへんな苦労を要する。曲をホームページで紹介するだけでも、
その録音は静かな環境でやらなければならないはずだから、たいへんな作業だ。
有名な歌曲ならいざ知らず、「皇太子誕生祝歌」などの歌詞を収集するのは半端
な作業ではなかったはずだ。三田さんなど台湾を愛するたくさんの方のご助力が
あったようだが、このような見えないところで日台は緊密に結びついていること
を知る。
 それにしても、このホームページは、すでに「文化」といってよい。そのフロ
ントページの文言は、作者の心の豊かさを感じさせ、味わい深い。下記にご紹介
する。                            (編集部)


古い記憶のメロデイ
一昔の古い記憶にある忘れかけたメロデイ

音楽などを甦らせて懐かしいメロデイで心境の陶冶の糧にしませうね
まろやかです、大正十一年の台湾生まれ
退職してから二十年過ぎました
平常うろ覚えの古い唄を歌いながら自転車で散歩
山登りしている、そして静座する
パゾコンいじりはホンの初歩なので
このホームページつくりは精いっぱいですが頑張ります

本格的なくろうど音楽家でないからご了承下さいませ
目標は60代以上の方に忘れかけた思い出の懐かしいメロデイ
(不全ではあるが)の再現を皆で味わい楽しみたいと存じます



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