*読みやすさを考慮し、小見出しは本誌編集部で付したことをお断りします。
◆これまで韓国の海軍観艦式で問題視されなかった旭日旗
10月10日から済州島で「2018大韓民国海軍観艦式」が行われますが、招待された日本の自衛隊が韓国から旭日旗を掲げないように要請されたため、日本側は式典への出席を取りやめました。
しかも韓国ではこの旭日旗問題が大きな騒ぎとなり、与党である「共に民主党」の李錫玄議員は、旭日旗をつけた船舶が韓国の領海を通過できなくする法案を国会に提出するに至りました。
韓国において旭日旗は「戦犯旗」と呼ばれており、似たデザインの製品について、韓国人が世界中でクレームをつけていることはご存知のとおりです。ただ、朝日新聞については、韓国人からクレームを受けたということは聞いたことがありません。
それはともかく、自衛隊は1998年、2008年にも韓国の海軍観艦式に参加していますが、そのときは韓国から旭日旗を問題視されたことはありませんでした。朝鮮日報は、日本の右傾化にともなって、2012年ごろから旭日旗が韓国国内で問題視されるようになったと解説しています。
しかしその前に、2009〜2012年というのは民主党政権時代であり、2012年夏には韓国の李明博大統領が人気取りのために竹島に上陸したことで、日韓関係が極めて悪化しました。韓国政府は当時の野田首相からの親書も突き返すという非礼ぶりでした。
これによって民主党政権の無能ぶりに対する国民の怒りは頂点に達し、2012年末の自民党政権返り咲きを招いたという一面もあります。中国も韓国もあまりに日本をなめてかかり、いざとなれば反日で人気取りすることを繰り返してきたため、日本人の怒りを買ってしまったわけです。
◆韓国が旭日旗を問題視するようになった発端は韓国サッカー選手のウソ
それはともかく、韓国が旭日旗を問題視するようになったのは、よく指摘されるように、2011年1月のサッカーアジアカップの日韓戦において、奇誠庸という選手が日本人を侮辱するような猿のものまねをしたことがきっかけでした。
他国民に対する明らかな侮辱ですから、この行為は国際問題にまで発展したわけですが、そのとき奇誠庸は、「観客席で旭日旗が振られているのを見て、私の胸に涙が出た」ために、猿真似をしたと言い訳したのです。
ところが、実際には観客席で旭日旗が振られた事実はなく、奇誠庸はその後、「日本人に対して行ったものではなく、自分が在籍するスコットランドの所属チームで、相手サポーターから猿呼ばわりされており、そうした差別的なサポーターに向けて行った」など、発言を二転三転させました。
要するに、「旭日旗が観客席で振られた」というのは、奇誠庸が言い訳のために利用した嘘だったわけですが、以後、韓国ではなぜか旭日旗を「戦犯旗」と呼んで問題視し始めたわけです。
このように、後づけで理由をつくって、相手を批判したり自分の要求を通そうとするのは、大中華の中国、小中華の韓国の常套手段といっていいでしょう。
◆後づけの理由で権利を主張する中国と韓国
中国は南シナ海や東シナ海を「漢の時代から自分たちが管理・支配していた」などといって、「絶対に譲れない核心利益」だとしています。台湾についても同様です。
しかし、長らく海禁(海の鎖国)を敷いてきた中華王朝が、南シナ海、東シナ海を管理・支配していた歴史はありません。台湾にしても、歴代の中華王朝は「化外の地(文明の及ばない地)」として、忌避してきたのです。すべて後づけの理由で、権利を主張しているわけです。
韓国も同様です。韓国といえば「ウリナラ起源説」を主張することで有名です。寿司も茶道も剣道も、なんでもかんでも韓国が起源、キリストや孔子も韓国人だと主張しています。
ハングルを「世界一美しい文字」だと自慢していますが、これはモンゴル人のパスパ文字をパクったものです。
その一方で、日韓慰安婦合意という国と国との約束ですら、「国民が納得していない」などという後づけの理由で拒否します。
1965年の日韓基本条約では、日韓両国が互いに請求権を放棄しましたが、後づけで徴用工の強制連行をでっちあげて、日本企業に賠償を押し付けようとしています。
大中華、小中華がこのように後づけで理由をでっち上げて自らの欲望を満たそうとするのは、中華思想が大いに関係しています。自分たちが世界の中心だと考えるのが中華思想です。だからルールはすべて自分たちがつくるのであって、他人がつくったルールは、たとえそれが国際条約だろうが破ってもかまわないと思っているのです。
だから中国では諸外国と決めた約束を反故にする「革命外交」が繰り返されてきました。革命で前政権は打倒されたという理由で、これをなかったことにするわけです。
韓国でも、前大統領のほとんどが逮捕されており、前政権を否定する一種の易姓革命が繰り返されているため、海外との約束が守られないのです。
◆中華思想に染まっているかぎり治らない自分勝手
かつて明が滅び清が中華の地を支配するようになると、当時の李氏朝鮮の知識人は夷狄が中華の上に立つという「華夷変態」が起こったとして、明の属国であった自分たちこそ真の中華を受け継ぐ者であると自認するようになりました。
そうした自惚れは近代においてもたびたび起こり、1997年のアジア通貨危機でIMFの管理下に入った後、サムスンのような世界企業が生まれると、韓国人は自らを「世界一頭がいい民族」だと自称するようになりました。
その一方で中国も経済成長によって大国化すると、たちまち中華思想が増大し、国家レベルから民間レベルまで、世界各地でトラブルを起こすようになりました。
とくに中国ではこれから、1979年からの一人っ子政策以後に生まれた世代が社会の中核となっていきます。この世代は「小皇帝」と呼ばれ、とにかく甘やかされて育ったため、中国国内でも「80後」世代として社会問題になっています。
そんなわがまま放題で育った、しかも中華思想を持った中国人ですから、ますます世界中で問題を起こすことは目に見えています。
一方、韓国人も中華思想に染まり、傲岸不遜な態度をとるため、海外では非常に評判がよくありません。フィリピンでは韓国人の殺人事件が頻発しています。
とはいえ、韓国は実力的にどうにもならないことも多々あります。最近ではTHAAD(Terminal High Altitude Area Defense missile)配備で中国から嫌がらせを受け、日本との通貨スワップ交渉もうまくいっていません。いくら自分たちで「世界一頭がいい」と自惚れても、現実がついてこないため、火病になってしまうことも多いようです。
いずれにせよ、大中華・小中華の自分勝手は、中華思想に染まっているかぎり、決して治ることがありません。「話し合えばわかる」などということはないのです。独善的な「正しい歴史認識」を押し付け、さらに大中華は諸民族を強制的に「中華民族」にしようとしています。
日本人はそのことを肝に命じておく必要があります。