http://www.pref.shimane.lg.jp/sekaiisan/5shuunen/taiwan_kikakutenji.html
世界遺産石見銀山遺跡は、16世紀前半に本格的な開発が始まり、以後400年余りにわたっ
て採掘が続けられてきましたが、最後の操業者は、明治・大正期の合名会社藤田組でした。
萩藩閥出身の藤田伝三郎が大阪に基盤を置いて創業した藤田組は、1887(明治20)年か
ら石見銀山の操業を開始し、1895(明治28)年には清水谷製錬所を稼働するなど、石見銀
山に近代化をもたらしました。
また、藤田組は秋田県の小坂鉱山など国内各地の鉱山開発を行うかたわら、1896(明治
29)年に日清戦争後の下関条約で日本に編入された台湾でも新たな鉱山開発を行いました。
台湾の北端部に位置する瑞芳(ずいほう)鉱山・金瓜石(きんかせき)鉱山は、それぞ
れ日本企業の藤田組、田中組が鉱業権を獲得して開発を進めました。以後、第2次世界大戦
終了まで所有会社の変遷はあるものの、日本企業や日本人が、経営や技術・管理部門で活
躍してきました。
このように、近代石見銀山と台湾の鉱山は、人脈や技術の面で繋がりがあることが知ら
れます。
このたびの企画展示では、石見銀山と金瓜石・瑞芳鉱山の知られざる絆について光をあ
てるとともに、鉱山遺跡の現代的活用と課題について考えます。
大田・世界遺産センターで台湾鉱山展
【山陰中央新報:2012年11月1日】
http://www.sanin-chuo.co.jp/news/modules/news/article.php?storyid=535282004
石見銀山と関係がある台湾の金瓜石(きんかせき)と瑞芳(ずいほう)の両鉱山を紹介
する「台湾 金瓜石・瑞芳鉱山と黄金博物館展」が31日、大田(おおだ)市大森町の石見
銀山世界遺産センターで始まった。26日まで。
石見銀山遺跡の世界遺産登録5周年を記念し、島根県教育委員会が、大田市と、金瓜石鉱
山を紹介する台湾の新北市立黄金博物館と共催した。
両鉱山は台湾北部にあり、石見銀山の近代化に関わった藤田組(現・DOWAホールデ
ィングス)などが太平洋戦争終了まで開発。石見銀山で働いていた技術者が赴き、銀山開
発の技術が導入されたという。現在は閉山している。
開幕式典では、県教委の米山隆教育次長が「展示から銀山と台湾の鉱山とのつながりを
知ってほしい」とあいさつ。来場者は坑道網などが描かれた「瑞芳鉱山安山岩分布図」
(1942年)や昭和初期に鉱山労働者が使用した木札の「金瓜石鉱山入鉱証」などの資料に
見入った。
高校生以上300円、小中学生150円、未就学児は無料。