台湾訪問・生涯忘れることのない4日間
栃木県日台親善協会会員 M.Y
12月1日から4日まで栃木県日台親善協会の台湾公式訪問に参加させて頂きました。
初日から黄崑虎先生主催の晩餐会に招待して頂き、蔡焜燦先生ご夫妻、黄天麟先生ご夫
妻、自由時報会長の呉阿明氏、新竹市李登輝友の会会長の張震天氏、国際美育自然生態基
金会会長の謝森展氏等々、夢のような方々とご一緒させて頂きました。
翌日は黄崑虎先生の御自宅に伺い、完璧な四合院造りの豪邸を拝見し、一つ一つの彫刻
の素晴らしさに感動することしきりでした。
台南では八田與一・外代樹夫妻の墓参をし、お二人のお心に思いをはせながら烏山頭ダ
ムダムに投花をし、高雄では穏やかな水流を湛えた愛河とは対照的な陳水扁総統の力みな
ぎる演説を聞きながら台湾の熱い選挙戦を体感してきました。
内容盛りだくさんの日程でしたが、今回の訪台で私は日本語世代の素晴らしいお二人の
女性との出会いがありました。
お一方は「僕よりも家内の方が日本語上手だよ!」と紹介してくださった黄崑虎先生の
奥様、邱碧玉さんです。奥様はとても気さくな方で、小さい頃オカモト(丘本?)文子と
いう日本名をもらい、台湾名よりも一字多いこの名前がすごく気に入っており、「私みん
なから文ちゃん、文ちゃんと呼ばれていたのよ!!」と笑いながらいろいろなお話をして
くださいました。
どんなに大勢の来客であっても、ご自分の手料理でおもてなしをすることを大切にして
いる、という奥様は、御主人と共に生き抜いてこられた激動の時代を女性の視点から子孫
に残し伝えたい、と、ずっとお考えだったそうです。そこで昨年「台湾、ああ 台湾!」
という歌劇を制作、発表し、大好評を博したとのことでした。「あなた、来年是非見にい
らっしゃいね。」と手を握って頂いた時の温もりが今も私の心を優しくします。何もかも
包んでくれそうな笑顔の中に台湾人女性の誇りと気高さがあふれていました。
もうお一方は17年間もえん罪で投獄、拷問を受けながらも釈放後、気丈にも獄中での事
実を日本語で書き下ろした『台湾監獄島』の著者、柯旗化先生の奥様、柯蔡阿李さんです
。そのような目に遭った人は大抵は気がふれてしまうのだそうです。
柯先生が投獄されたとき、奥様は3人の幼児を抱え、途方に暮れながらも必死で子育て
をされたこと、それは並大抵の苦労ではなかったと話してくださいました。初め、子供達
には先生がいないことをずっと隠し続けていたのですが、成長し隠しきれなくなり、10数
年の後に、鉄格子越しに対面をさせたそうです。その時先生が、「私を恨んでいますか?」
と尋ねると、「いいえ、お父さんを心から尊敬しています。」と答えられたそうです。そ
れを聞いて蔡阿季さんは涙が止まらなかったと……。
私達の想像を絶するような中国人の激しい拷問のお話に身震いするような場面もありま
したが、釈放後先生は一言も恨み言をいうことはなく、それよりも台湾独立のため、無欲
で東奔西走、その後の人生を駆け抜けていかれたそうです。
柯蔡阿李さんは「3人の子供達が今立派に成長してくれたことが何よりの幸せ」と目を
細められていました。御主人の遺志を継ぎ、70歳を過ぎた今でも第一出版社の会長として
お仕事をされているそうです。
お身体の具合が悪いと伺っていましたが、お声には張りがあり、凛とした立ち姿は力強
く美しく、まさに”武士の妻”そのものでした。
これからの私の人生の中で辛いことがあったとき、今日のこのお話を思い出せばどんな
ことでも乗り越えられるようなそんな思いがしました。
白色テロの時代、男性の陰にこのお二人のような素晴らしい台湾人女性がたくさんいら
したことは想像するに難くありませんが、今回直接お話を聞けたことは本当に貴重な体験
でした。
今回の訪台で私の台湾熱はますます上がっていくばかりです。生涯忘れることのない、
思い出深い4日間となりました。
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