台湾回帰投資の累計額が3.6兆円に! 申請企業は480社

 台湾の蔡英文政権は産業振興の一環として「新南向政策」を掲げ、中国に渡った製造業を台湾に引き戻す施策「Uターン投資」に力を入れてきた。

 昨年7月29日付の日本経済新聞によれば「7月26日までに98社からの投資申請を許可し、累計4973億台湾ドル(約1兆7300億円)に達した」と報じ、予想よりかなり早いスピードで企業の台湾回帰が進んでいた。

 5月14日、経済部が発表したところによると、なんと「対台湾回帰投資は、ついに目標だった1兆元(約3.59兆日本円)を突破し、累計1兆36億台湾元(約3.6兆日本円)に達した」という。申請企業も480社に上り、8万2,555人の雇用機会の創出が見込まれるそうだ。下記の「Taiwan Today」が詳細を伝えている。

 台湾の行政院主計総処が4月22日に発表した3月の失業率は3.72%。さすがに2月の3.7%より上昇しているものの、武漢肺炎を完璧に押さえ込んでいることから欧米に比べると安定している。

 米国の3月の失業率は4.4%だったが、4月の失業率は14.7%(労働省:5月8日発表)にも急上昇し、1930年代の大恐慌時以来の水準になっている。日本も4月に入って雇用が急減しているが、3月はまだ2.5%(総務省:4月28日発表)だった。日本は5月28日に4月の失業率が発表される。日本の4月失業率が発表されてから、台湾の4月の失業率と比べてみたい。

—————————————————————————————–台湾回帰投資が累計1兆台湾元突破、480社が対台湾投資【Taiwan Today:2020年5月15日】

 台湾では現在、米中貿易摩擦の影響を受け、かつ2年以上の対中国投資実績を持つ台湾企業が対台湾投資を行う場合、さまざまな優遇を提供する「台商回台投資方案」と、対中国投資実績を持たない大企業を対象とした「根留台湾企業加速投資行動方案」、対中国投資実績を持たない中小企業を対象とした「中小企業加速投資行動方案」の3本立てで対台湾回帰投資(Uターン投資)を推進している。これを「投資台湾三大方案」と呼んでいる。

 経済部(日本の経済産業省に相当)が「投資台湾三大方案」の単一窓口として設置する「InvesTaiwan」は14日、午前中に4社からの「台商回台投資方案」を利用した対台湾投資申請を承認したのに続き、午後には3社からの「根留台湾企業加速投資行動方案」を利用した投資申請を承認した。午後の3社による対台湾投資額は合計58億台湾元(約208億日本円)となり、これにより「投資台湾三大方案」を利用した対台湾回帰投資は、ついに目標だった1兆元(約3.59兆日本円)を突破し、累計1兆36億台湾元(約3.6兆日本円)に達した。

 経済部によると、「投資台湾三大方案」を利用して対台湾回帰投資を申請した企業は480社に上る。これにより8万2,555人の雇用機会の創出が見込まれる。内訳は以下のとおり。 「台商回台投資方案」利用企業188社投資額約7,609億台湾元(2.7兆日本円)6万1,814人の雇用機会の創出を見込む

「根留台湾企業加速投資行動方案」利用企業68社投資額約1,477億台湾元(5,300億日本円)1万1,338人の雇用機会の創出を見込む

「中小企業加速投資行動方案」利用企業224社投資額約950億台湾元(約3,400億日本円)9,403人の雇用機会の創出を見込む

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


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