1月における対象18ヵ国からの台湾への渡航者が42.8%増(昨年同月比)を示し、約6万8000人に
達したという。外交部の「Taiwan Today」が「1月の成長率としては、過去4年間で最高となった」
と伝えている。
総統就任式の演説で蔡英文総統は、対外的な経済の形態に言及し「従来の単一市場に依存し過ぎ
た現象と決別する」ことを宣言し、「アジア、あるいはアジア太平洋地域の国々との協力を通し
て、共に未来の発展戦略を形作る」という「新南向政策」方針を発表した。
つい最近も、新南向政策の対象国であるベトナムのホーチミン市において3月17日、台湾経済部
国際貿易局と中華民国対外貿易発展協会が日本貿易振興機構(ジェトロ)などと産業協力商談会を
共同開催し、ベトナムの日本企業24社と台湾企業47社が参加して企業提携の商談会を行い「台日の
企業が第三地点で協力していく上での効果的なプラットフォームとして大変成功した」(3月18日
付「台湾国際放送」)という。
日本と台湾の企業は中国という単一市場への依存から離れ、次の「世界の工場」「世界の市場」
と目されるアセアン諸国へシフトしはじめている。ベトナムの商談会の成功は、台湾の新南向政策
と日本企業の狙いが合致していることを証したようだ。
1月は「新南向政策」対象国からの渡航者が4割増
【Taiwan Today:2017年3月16日】
行政院(内閣)経貿談判弁公室(経済貿易交渉オフィス)は15日、交通部観光局(日本の観光庁
に相当)の統計をもとに、政府が掲げる「新南向政策」対象国18カ国から台湾への渡航者が、1月
は延べ約6万8000人に達したと発表した。これは昨年同月比42.8%の増加。1月の成長率としては、
過去4年間で最高となった。「新南向政策」とは、東南アジア、南アジア、ニュージーランド、
オーストラリアなど18カ国との幅広い関係を強化する政策。
18か国の内訳をみると、台湾への渡航者が最も多いのはマレーシア、シンガポール、タイ、ベト
ナム、フィリピンの5カ国。
そのうちタイは今年1月、台湾への渡航者が初めて延べ1万人を突破した。台湾は現在、東南ア
ジア諸国から台湾を訪れる団体旅行客に対してビザ申請手続きを簡素化する「観宏専案(プロジェ
クト)」を実施しているほか、昨年8月1日よりタイのパスポート所持者を対象に、30日間の査証
(ビザ)免除措置を試験的に実施している。この2つが奏功し、タイから台湾への渡航者が170%増
加した。ベトナム、フィリピン、インドネシア、インド、ミャンマー、ラオスなども「観宏専案」
の効果で、台湾への渡航者が軒並み50%以上増加している。
経貿談判弁公室によると、政府が「新南向政策」を推進して以降、昨年8月から今年1月までで、
「新南向政策」対象国から台湾への渡航者は、それまでの観察期間に比べて25.83%増加してい
る。この期間の成長率としては、過去5年近くで最高。
中華民国政府は今後3年間で、インドネシア、インド、フィリピン、ミャンマー、ラオス、カン
ボジアなど、観光客の潜在成長率が高い国に対して、査証免除の措置を実施していく方針。