台湾の9月の景気指数、ITバブル崩壊以来の低水準

【10月28日 NAA】

 行政院経済建設委員会(経建会)が27日に発表した9月の景気対策信号・総合指数は
12ポイントで、IT(情報技術)バブルが崩壊した2001年12月以来の低い数値となった。
前月の修正値18ポイントから6ポイント下げ、7月に続き、再び景気低迷を示す「青」に
転落した。リーマン・ブラザーズの経営破たんに端を発した世界的な不況は、統計にも
表れ始めている。

 景気対策信号・総合指数は、今年4月まで6カ月連続で、安定を示す「緑」を示してき
た。しかし5月には1年ぶりに「安定と後退の中間」を示す「黄青」に転落、さらに7月
には「青」が点灯し、景気後退に対する懸念が強まっていた。8月はいったん持ち直し
「黄青」に戻したが、9月はリーマンショックが影を落とし、再び「青」に転落した。

 9月は信号を構成する9項目のうち、工業生産指数、税関輸出額は前月比でそれぞれ2
ポイント、株価指数、製造業販売額、非農業部門就業人口はそれぞれ1ポイント下げた。
機械・電機設備の輸入額は1ポイント上げている。

 今後3〜6カ月の景気動向を示す景気先行指数(01年を100とする)は106.4ポイントで、
前月比0.3%下げた。

 経建会は各要素について、金融、生産、消費、輸出ともに失速し、景気は低迷してい
ると分析している。今後の展望については、国際的な原油価格や一部の原材料価格は目
に見えて下落しており、インフレ圧力は徐々に緩和されると指摘。しかし、世界的な金
融危機の台湾経済への影響も無視できないと説明した。政府の景気振興策や就業促進策
が景気回復に寄与してほしいと期待感を示している。

■企業の6割、「今後半年の景気悪い」

 27日付中央社電、聯合晩報などによると、台湾経済研究院(台研院)が9月に実施し
た最新の景気動向調査で、今後6カ月間の景気が悪くなるとみている製造業企業が60.9
%に達していることが分かった。8月調査時点の29.5%から大幅に増えている。「よく
なる」とみている企業は4.8%しかなく、8月の20.2%から大きく減った。「現在と同程
度」と予測するのも8月の50.3%から34.2%に減少した。

 台研院景気予測中心の陳ビョウ(ビョウは水3つ)主任は「企業はとても悲観的にな
っている」と指摘。2001年のITバブル崩壊以降では最も悲観的と説明した。

 今後6カ月間の景気見通しを数値化した「製造業景気気候測験ポイント」は99.44ポイ
ントで、8月修正値の105.03ポイントを5.59ポイント下回った。01年7月以降で最も低い
数値となっている。

■消費者自信指数も過去最低

 中央大学台湾経済発展研究中心が27日に発表した10月の消費者自信指数(CCI)は55.
22ポイントで、調査を始めた01年1月以降で最低となった。前月(54.32ポイント)に続
き最低を更新している。

 今後半年間の各項目に対する自信指数は▼「株式投資時機」は48.7ポイントで、前月
より4.7ポイント下げた▼「耐久消費財購入の時機」は93.2ポイントで3.5ポイント減▼
「就業機会」は64.9ポイントで2.7ポイント減▼「景気」は43.6ポイントで0.7ポイント
減▼「物価水準」は18.9ポイントで0.5ポイント減──といずれも下げている。



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