教育部(文部科学省に相当)がまとめた高級中学(普通科高校に相当)における第2外国語の選択
に関する昨年度の統計を紹介している。
この統計によれば、高校で第2外国語を選択した生徒数は5万3,570人。このうち日本語を選択し
たのは2万9,262人(54.6%)で半数以上を占め、断トツの1位だったという。2位以下は下記のとお
りとなっている。
2位:フランス語(7,054人、13.2%)、3位:ドイツ語(6,112人、11.4%)、4位:スペイン
(5,722人、10.7%)、5位:韓国(4,259人、7.95%)、6位:イタリア(342人、0.63%)、7
位:ベトナム(309人、0.58%)、8位:タイ(188人、0.35%)、9位:フィリピン(88人、
0.16%)10位:マレーシア(88人、0.16%)、11位:ポルトガル(59人、0.11%)、12位:ラテ
ン(57人、0.10%)、13位:インドネシア(30人、0.05%)
日本語は英語に次いで学習者の多い外国語で、2013年第1学期(8月〜翌年1月)の普通高校344校
のうち247校が第2外国語を開設、うち92%の228校が日本語を開講している(国際交流基金「台湾
[2014年度]日本語教育の実施状況」)。
なお、2014年度の台湾の高校生総数は81万8,869人、高校数は503校。
また、下記に2008年度と2011年度の第2外国語の選択率を下記に紹介するが、日本語の選択率は
2011年度は3万7,988人(69.5%)とほぼ7割だったが、今回も1位とはいえ2万9,262人(54.6%)で
選択率は下がっていることが見て取れるものの、2位以下との開きは相当に大きい。日台関係は最
良といわれる状況が続き、修学旅行での高校生交流が増え続けている現在、この選択率に変化はな
いと見ていいだろう。
ちなみに、韓国の高校生の第2外国語選択率についてはあまり知られていないようだが、2011年9
月21日付の「聯合ニュース」によれば、台湾と同じように日本語が断トツの1位で62.5%にものぼ
り、2位の中国(26.7%)や3位のドイツ語(4.9%)などに大差をつけている状況だという。韓国
の本音がうかがえる数字と言っていかもしれない。
◆台湾の高校生の第2外国語選択率(台湾・教育部発表)
*2008年度 197校、863クラス、2万9,377人
1位:日本語(22,791人、77.6 %)、2位:フランス語(3,954人、13.5%) 3位:スペイン語
(1,237人、4.2%) 4位:ドイツ語(923 人、3.1%)5位:韓国語(371人、1.3%) 6位:ラテ
ン語(59人、0.20%)7位:ロシア語:42人(0.14%)
◆台湾の高校生の第2外国語選択率(台湾・教育部発表)
*2011年度1学期 233校、1,585クラス、5万4,658人
1位:日本語(37,988人、69.5%)2位:フランス語(7,276人、13.3%)3位:スペイン語
(3,639人、6.7%)4位:ドイツ語(3,194人、5.8%)5位:韓国語(2,033人、3.7%)6位:ベ
トナム語(243人、0.44%) 7位:イタリア語(170人、0.31%)8位:ラテン語(81人、
0.15%)9位:インドネシア語(27人、0.05%)10位:ロシア語(7人、0.01%)
第二外国語に日本語選択の高校生、10年で5割増
【NNA ASIA:2016年9月20日】
http://www.nna.jp/articles/show/1508996
教育部(教育省)がまとめた統計によると、日本の高校に相当する高中で、昨年第二外国語に日
本語を選択した生徒は3万人近くに上り、過去10年で5割増えた。19日付聯合報が伝えた。
国立政治大学の日本語学科で主任を務めた経験のある于乃明氏は、日本語を選択する生徒の増加
について、「歴史的、地理的な要因に加え、日本を訪れる旅行者が増えていることや、若い人々が
日本のドラマやアニメーション、ゲーム、雑誌などを好んでいることが背景にある」と説明した。
統計によると昨年、高中で第二外国語を選択した生徒数は5万3,570人。このうち日本語を選んだ
のは2万9,262人で、半数近くを占めた。2位以下はフランス語(7,054人)、ドイツ語(6,112人)
が続いた。韓国語は韓流ブームにより人気が出ているものの、教師不足により授業数が少なく、選
択した生徒は4,259人にとどまった。
日本語学習熱が高まる中、各校は特色ある指導方針を打ち出している。台北市の名門女子校、台
北市立第一女子高級中学(北一女)では毎年、お茶の水女子大学付属高等学校(東京都文京区)か
ら研修生を受け入れ、北一女の生徒との交流を深めているほか、高雄市内には大分県への修学旅行
やホームステイなどを実施する高中もあるという。
于氏によると、高中だけでなく、大学の日本語学科も年々増加傾向にあり、現在は40以上の大学
が同学科を設けているという。