が強い中国や韓国で、これだけ日本語熱が高いとは思わなかった。こういう予想を裏切る
結果なら大歓迎したい。下記のニュースをじっくりお読みいただきたい。
ちなみに、台湾と韓国の高校生における第2外国語の選択率では、ともに日本語が断トツ
の1位。ベスト5は以下のとおりだ。
◆台湾の高校生の第2外国語選択率(233校、1,585クラス、54,658人)
【台湾・教育部:2011年12月7日発表(2011年度1学期)】
1)日本語:37,988人(69.5%) 2)フランス語:7,276人(13.3%) 3)スペイン
語:3,639人(6.7%) 4)ドイツ語:3,194人(5.8%) 5)韓国語:2,033人(3.7%)
◆韓国の高校生の第2外国語選択率(1,561校)
【聯合ニュース:2011年9月21日】
1)日本語:62.5% 2)中国語:26.7% 3)ドイツ語4.9% 4)フランス語:4.8%
5)スペイン語:0.9%
日本語学習者数、中国がトップに…人口比では韓国など突出
【サーチナ:2013年7月9日】
国際交流基金は8日、2012年版の海外日本語教育機関調査結果を発表した。世界における
日本語学習者数は前回の09年版と比べ約9.1%増の398万4538人だった。国と地域別で最も
多かったのは中国で、104万6400人だった。国際交流基金の調査結果をもとに人口1万人当
たりの日本語学習者数を算出すると、韓国(174.4人)、オーストラリア(133.2人)、台
湾(101.0人)で突出している。
小学校、中学校、高等学校などの「学校」だけでなく、“町の語学学校”なども含め、
日本語を教えている機関全般を対象に調査した。調査機関は2012年7月─13年3月。学習者
数は09年版と比べ約9.1%増の398万4538人、教育機関は7.5%増の1万6045機関、教指数は
28.0%増の6万3771人だった。なお、同調査では、「個人的に日本語を学習する人の数」な
どは対象になっていない。
国際交流基金によると、海外における日本語学習状況の調査は外務省が1970年に初めて
実施。その後、国際交流基金は74─75年の第1回以来、調査を継続している。日本語学習者
については、米国、韓国における人数が最も多い状況が続いたが、今回の調査で中国の学
習者数が初めてトップになった。
第1位 中国 104万6490人(26.5%増)
第2位 インドネシア 87万2406人(21.8%増)
第3位 韓国 84万187人(12.8%減)
第4位 オーストラリア 29万6672人(7.6%増)
第5位 台湾 23万2967人(5.9%減)
第6位 米国 15万5939人(10.4%増)
第7位 タイ 12万9619人(64.5%増)
第8位 ベトナム 4万4672人(5.6%増)
第9位 マレーシア 3万3077人(44.7%増)
第10位 フィリピン 3万2418人(45.0%増)
国際交流基金の調査結果をもとに人口1万人当たりの日本語学習者数を算出すると、以下
の通りになる(人口は国連の2011年度版「世界の人口推計」による)
第1位 韓国 174.4人
第2位 オーストラリア 133.2人
第3位 台湾 101.1人
第4位 インドネシア 36.4人
第5位 タイ 18.8人
第6位 マレーシア 11.6人
第7位 中国 7.8人
第8位 ベトナム 5.3人
第9位 米国 5.0人
第10位 フィリピン 3.5人
国際交流基金によると、韓国では高校において必修だった第2外国語が選択制になった。
第2外国語の授業では、生徒が7つの言語のうちから1つを選んで履修できるが、もともと選
択率が高かった日本語は、第2外国語の授業を受ける生徒全体が少なくなったことの影響を
受けた。
学習者数で09年調査と比べて高い上昇率を示したタイ(64.5%増)、マレーシア
(44.7%増)、フィリピン(45.0%増)では、中等教育における日本語への取り組みが拡
大した。
オーストラリアでは、初等教育におけるアジアの言語の学習が重視されていることが、
人口1万人あたりの日本語学習者の多さにつながった。同国では、日本語学習者の約9割
が、小中学校の生徒という。
人口が多いため1万人当たりの学習者では少ないが、中国における日本語学習者は前回に
比べて26.5%増加し、100万人を超えた。国際交流協会によると、日本のポップ・カルチャ
ーへの関心や、将来の就職などの経済的・実利的な理由に支えられ、大学生を中心に学習
者が増えているという。
◆解説◆
中国では2010年に発生した尖閣諸島中国漁船衝突事件をきっかけに反日感情が高まり、
大きな騒乱事件までも発生した。それにもかかわらず、日本語学習者は増えている。
中国では「日本の繁栄はここまで。これからは衰退していく」との見方もある。しか
し、日本語学習者の推移をみるかぎり、中国の若者は「日本の将来」に可能性を感じてい
るとみなすことができる。中国は経済規模で日本を抜いたが、「日本は自分たちの先を行
く国」とのイメージに、今のところ極端な変化はないと考えてよい。
(編集担当:如月隼人)