台湾の建国記念日に登場した京都橘高校吹奏楽部が巻き起こした感動  黄 文雄(文明史家)

【黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」:2022年10月26日】https://www.mag2.com/m/0001617134*読みやすさを考慮し、小見出しは本誌編集部が付けたことをお断りします。

◆「オレンジの悪魔」京都橘吹奏楽部が圧巻パフォーマンス

 10月10日は、台湾の建国記念日にあたる『双十節』ですが、その式典に、日本の京都橘高校(京都市伏見区)の吹奏楽部が招かれました。同校の吹奏楽部はマーチングバンドの強豪で、『オレンジの悪魔』の異名でも知られており、その圧巻のパフォーマンスは台湾の民衆を魅了しました。

 以下、報道から引用しましょう。

<台北の総統府前広場で、オレンジ色の衣装に身を包んだ部員88人による行進が始まった。演奏しながら笑顔でステップを踏み、多彩な隊形を披露。約15分のパフォーマンスの間、聴衆の視線はくぎ付けになり、蔡英文総統も立ち上がって手を振るほどだった。「パフォーマンスはまさに日台友情の代名詞」と日本の外交関係者。日台で反響は広がり、公式動画の再生回数は21日現在で150万回を超えた。>

 このように、式典には蔡総統も参加しており、時には立ち上がって拍手をする様子が見られました。この様子は、ユーチューブでも見られるので、ぜひ皆さん、一度ご覧になって下さい。

https://www.youtube.com/supported_browsers?next_url=https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fwatch%3Fv%3D2JEESRPPNxE

 京都橘高校の吹奏楽部は、「米国の新年を飾る『ローズ・パレード』に二度出場したことがある」、吹奏楽の強豪校だそうです。全日本マーチングコンテストでは常連校で、去年の大会では金賞を受賞しました。また、メディア出演も多く、SNSでも積極的に世界に発信しており、世界中にファンがいるとのことです。

 台湾で披露されたマーチングは、オレンジ色の衣裳を着た部員総勢88人による行進で、とても見ごたえのあるものでした。彼らが台湾に滞在している間は、連日台湾メディアに登場、世界でも最多のステップ数で知られる同校のバンドに義足の部員がいること(https://rafu.com/ja/2018/01/kyototachibanagreenband/)など、様々な話題を振りまきました。

 報道にあるように、マーチングの最中に街道の観衆から日本語で「がんばれ」「ありがとう」などの声掛けがあったとのことです。また、報道によれば、彼らは台湾の歴史をしっかりと学んでから台湾に向かったとのこと。

 そして、若い学生らしく、「祝典で儀仗(ぎじょう)のパフォーマンスを披露した台北市立第一女子高校の生徒らとも交流。すぐに打ち解け、日本のアニメや演技について盛り上がった」とのことでした。

◆これこそ「国際交流」

 なんという清々しい若者同志の交流でしょうか。北一女の才女たちと、世界で活躍するマーチングバンドの高校生たちとの交流。この交流と経験は、彼らの心に少なからず影響を及ぼしたことでしょう。そして、彼らが将来の選択を迫られた際に、判断材料のひとつとして、きっとなんらかの影響力を持つことでしょう。

 これこそが「国際交流」というものであり、このような経験を持つ若者は、将来、世界にとってプラスの働きをしてくれることでしょう。

 これを実現させてくれた台湾と日本の関係者たちに賛辞を贈りたいと思います。そしてこれからも、このような機会をどんどん作って頂きたいと思います。

 橘高校の吹奏楽部の部員たちは、日々、大変な練習をしていることでしょう。それは、彼らのマーチングを見ればよく分かります。その努力が、今回、日台のみならず、ネットを通じて世界で認められました。努力は必ず報われるということを知るチャンスを、日台の関係者たちが彼らに与えてくれました。

 素晴らしいことだと思います。中国では習近平が独裁色を強め、ロシアは戦争をいつまでも続け、暗いニュースが多い中での、一服の清涼剤のような明るいニュースでした。橘高校の部員の皆さん、素晴らしいマーチングと演奏をありがとうございます。

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


投稿日

カテゴリー:

投稿者: