会」(松本彧彦理事長)が台湾で接木した河津桜の苗木200本を贈り、4月14日、台南市な
どの主催により八田與一記念公園で植樹式を行った。NHKなどが報じているので下記に
ご紹介したい。
本会も6年前から日台交流の一環として、熱帯の台湾でも育つ河津桜の苗木を贈り続けて
いる。これまでの寄贈本数は約4500本。日本から台湾に河津桜を最初に贈ったのはNPO
法人育桜会(園田天光光会長)と言われ、平成15(2003)年のことだ。育桜会は平成18
(2006)年から本会とともに贈るようになったが、事情により現在は本会だけ贈っている。
本会の贈り先は、「台湾歌壇」代表もつとめる蔡焜燦先生が理事長の李登輝民主協会。
ちなみに、河津桜は大島桜系と寒緋桜系の自然交配種と推定されていて、昭和49(19
74)年に河津桜と命名され、同50(1975)年に静岡県河津町の町木に指定されている。
実は、日本の河津桜も実生からではなく、大島桜などの母木に接木をして育てている。
桜は自然交配しやすいそうで、他の品種が交らないようにするためだという。
台湾には桜の原種として、通称「山桜」と言われている紅色の鮮やかな寒緋桜と可憐な
白い花びらの霧社桜の2つあるとされ、台湾では寒緋桜を母木として接木で育てている。
今回、「日台スポーツ・文化推進協会」が寄贈した河津桜は、すでに日本から寄贈され
ている河津桜の枝を寒緋桜に接木して育てたもので、もしかしたら本会から寄贈した河津
桜の枝も使われているかもしれない。
それにしても、桜を育てるのは難しく、土壌は酸性土ではなく中性土がいいそうで、水
を欲しがるものの水捌けがよくなければならず、植樹後は毎日のように水をあげなければ
ならない。風に弱いことから支柱をしっかり組む必要もあるという。犬などのオシッコも
桜の根には大敵で、オシッコ除けの柵も作らなければならない。
本会も当初は土壌検査を台湾側にやっていただくことから始め、酸性土なら中性土にな
るよう肥料を加えていただいた。桜は贈るのはたやすく受けるのも簡単だが、桜を育てる
ためには土壌もさることながら、その後の管理が非常に大切になる。だから台湾側に、管
理負担をきちんと受け止めていただくことが大事な所以だ。
それを着実にこなし、毎日の手入れを欠かさなかったのが新竹市のケースだ。今では
「桜祭り」を開くほどになっている。本会では、桜を台湾に贈りたいという相談を受けた
とき、受け手の台湾側が管理できることを確認しているかを尋ね、また桜の育て方を新竹
に聞いてから育てるようにして下さいともアドバイスしている。
今回、「日台スポーツ・文化推進協会」が寄贈した河津桜は200本だというから、その管
理は並大抵ではないことが予想される。老婆心ながら、日台交流のシンボルとして無事に
育ってくれることを祈りたい。
◆新竹のシルバー世代、日本からの桜の手入れに燃える
http://melma.com/backnumber_100557_5534042/
◆【報告】 花蓮に植えられた河津桜─2012台湾・お花見ツアー
http://www.ritouki.jp/tour/2012hanami.html
台湾の支援に感謝 桜を植樹
【NHK:2012年4月14日】
【動画】http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120414/k10014451781000.html
東日本大震災のあと、日本円にして180億円を超える、世界でも突出した義援金を送って
くれた台湾の人たちに感謝の気持ちを表そうと、日本から170人の訪問団が台湾を訪れ、友
好の印として桜の植樹を行いました。
このイベントは、日本と台湾の交流活動を行っている民間団体が企画したもので、日本
からおよそ170人が台湾南部の台南市を訪れました。
桜が植えられたのは日本統治時代の台湾で農業の発展に尽くした日本人技師を記念した
公園で、14日の式典には、地元の人たちも含めおよそ500人が参加しました。
はじめに訪問団を代表して森元総理大臣が「桜の木がこれからの日本と台湾の絆を深め
てくれることを願っています」とあいさつしたあと、参加者が桜の植樹を行いました。
植えられたのは、温暖な地域で育ちやすい「河津桜」という日本の桜を台湾に自生する
桜に接ぎ木したもので、公園には合わせて200本が植樹され、日台の友好の新たな象徴にし
たいという願いが込められているということです。
日本から訪れた参加者たちは「台湾への感謝の気持ちを表したくて来ました。桜が咲く
ようになったらまた訪れたいです」などと話していました。
また、台湾の参加者の一人は「桜が成長して満開となるように、日本と台湾の友好関係
が美しく花開いたらいいと思います」と話していました。