は、本誌で何度か紹介させていただいたことがある。
古市氏は先般7月22日に本会が開いた「李登輝元総統を歓迎する晩餐会」にも参加、その印象記
を地元紙の「房日新聞」に寄稿されていた。下記にご紹介したい。
なお、掲載にあたってタイトルを「房総のインバウンド観光 台湾からの観光客誘致」から「台
湾との連帯を求めて─李登輝元総統歓迎会の印象」と改めたことをお断りする。
寄稿 房総のインバウンド観光 台湾からの観光客誘致で
鴨川 古市 一雄
【房日新聞:2015年8月14日】
台湾の李登輝元総統は、7月21日から26日まで、超党派国会議員団の招きで日本を訪問した。退
任後、7度目の訪日。期間中、安倍晋三総理との会談が実現し、議員会館での講演では、秘書の代
理出席を含む290人の出席があったと、一部メディアは報じていた。
22日には、議員会館近くのキャピタル東急ホテルで、日本李登輝友の会(会長=小田村四郎・元
拓殖大学総長)が主催し、歓迎晩餐会を開催するという通知があったので出席した。
会場スペースやセキュリティーの関係で、250人を限度としての開催だったが、政財界、著名文
化人、会員らで埋め尽くされた。
あいさつの中で李元総統は、日本と台湾は価値観を共有する運命共同体でなければならない。そ
して台湾は、台湾という認識に立ち、パラダイムの転換を訴えていた。また、日本の友人にお会い
することを楽しみに、毎年訪れたいとも言っておられた。
92歳という高齢で、近くからのフラッシュを使っての撮影、その他、セキュリティーの関係で、
2メートル以内に近づいて会話できない中、側近の秘書に、二度にわたる総統選挙での応援ツアー
とともに、2011年9月には、金美齢塾の塾生50人とともに、東日本大震災に対する感謝の意を伝え
に行った際、いずれも淡水の事務所でお会いすることができたこと。今後は観光交流面での連帯を
最重要課題として捉え、教育、文化、学生等各界、各層からなる交流促進を要請した。
日本に李登輝友の会という日台共栄を目指す会があるということは、息子の台湾淡江大学への留
学以前から知ってはいたが、活動に参加するには至っていなかった。しかし、台湾関係について勉
強していくうちに、連帯して取り組む課題は大きくなり、この10年間の内には、二度の台湾総統選
挙の応援、河津桜5000本植栽活動、烏山頭ダムなど日本統治時代の歴史を訪ねるツアー、培ったパ
イプを生かして昨年は、森田健作千葉県知事の台湾高雄市訪問に際し、市内高校生との教育旅行の
房総地域への促進協議など、さまざまな形で台湾と関わってきた。
一番記憶に残っていることは、2011年の議員秘書時代には、国慶節に国会議員20人とともに台湾
総統府に招かれ、当時の馬英九総統から、故宮博物院の日本開催に当たり、海外重要美術品保護に
関する法律制定の促進を強く依頼され、与野党各代議士事務所をまわり、法案設立に理解を求め奔
走した。
国は、2008年に観光立国を実現するために、観光庁を設置し推進してきた。東京オリンピックの
2020年までに、外国人観光客を3000万人、観光消費額を4兆円、地方を中心に免税店を拡大すると
いう政策発表もされている。
地方創生に向けて房総半島のインバウンド観光は伸びしろが大きく、こぞって取り組まなければ
ならない大きな課題であるものと思っている。親日台湾からの観光客誘致に向けて、あらゆるチャ
ンネルを使って努力しなければならない姿勢が求められている。
(日本李登輝友の会千葉県支部)