台湾が初の潜水艦建造に着工 8隻建造の予定

 いよいよ台湾で初の潜水艦建造が始まった。8隻を予定しており、台湾国際造船が建造し、1隻目は2025年の就役を目指しているという。

 11月22日には米国のインド太平洋軍情報担当トップ、マイケル・スチュードマン氏が台湾を訪問した。12月にはアンドリュー・ウィーラー環境保護局(EPA)長官が訪台するとのことだったが、これは国内事情で延期となったものの、米国と台湾の安全保障関係はかなり密になっている。

 中央通信社は「着工式には、厳徳発(げんとくはつ)国防部長(国防相)や顧立雄(こりつゆう)国家安全会議秘書長ら政府要人のほか、米国在台協会(AIT)台北事務所のブレント・クリステンセン所長(大使に相当)も出席した」と報じている。 日本、米国、オーストラリア、インドが共有する「インド太平洋戦略」の要となるのが台湾だ。潜水艦建造は日本の主力潜水艦を参考にしているとも伝えられ、暗に日本側の助力があるようにも受け取られる。

 いずれにしても、台湾が潜水艦の自主建造に乗り出したことは心強い。

—————————————————————————————–台湾、初の「自前」潜水艦を着工 中国は猛反発【日本経済新聞:2020年11月24日】

【台北=中村裕】台湾の総統府は24日、自前による初の潜水艦の建造を、南部の高雄市で始めたと発表した。合計8隻を建造する。2024年の完成、25年の就役を目指す。中国の軍事的圧力が強まるなか、新たな潜水艦で防衛力向上を狙う。中国は、潜水艦計画に激しく反発している。

 台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統は同日、潜水艦の着工式に参加し「平和は国防に依存している。自前の潜水艦の着工で台湾の主権を守ろうとする我々の強い意志を世界に知らしめることができる」と述べた。

 建造は民間造船大手の台湾国際造船が手掛ける。ディーゼルエンジンを使った通常動力型の潜水艦となる。米国製の戦闘システムなども導入される見込み。1隻目の建造には、25年までに493億台湾ドル(約1800億円)の予算を充てた。

 設計・デザインは、日本の海上自衛隊の主力潜水艦で、世界有数の高性能ディーゼル潜水艦「そうりゅう型」などを参考にしているともされる。

 ただ、建造の難易度は非常に高い。台湾国防部のシンクタンクである国防安全研究院の蘇紫雲所長は「6割は台湾の技術、4割は欧米などの技術輸入に頼ることになる。完成形としては、標準的な潜水艦よりも上のレベルのものになる」と指摘した。

 台湾は現在4隻の潜水艦を有する。しかし、旧式のため早急な更新が課題だった。新鋭の潜水艦を持てば、海洋進出を強める中国に大きなけん制となるため、米国などに潜水艦の売却を求めてきた。

 米国はブッシュ政権(第43代)時代の01年に台湾への潜水艦の売却方針を固めた。だが、最終的には中国の激しい反発などが考慮され実現しなかった。

 しびれを切らした台湾の海軍の強い要望で、馬英九前政権時代に初めて自前による潜水艦(IDS)建造計画が浮上した。ただ、対中融和路線を敷く馬政権では結局、前進しなかった。16年に総統に就いた蔡英文・民進党政権下でIDS計画が加速。ようやく今回、着工にこぎつけた経緯がある。中国は以前から計画に激しく反発している。

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


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