台湾 戒厳令解除20年 総統選にらみ与野党攻防

【7月16日 西日本新聞】

 【台北15日遠矢浩司】台湾は15日、中国国民党が敷いた戒厳令(1949‐87年)が解
除されてから20年を迎えた。陳水扁政権と与党・民主進歩党(民進党)はこの日を「戒
厳令解除記念日」に指定し、各地で記念行事を開催。来年3月の総統選に向けて、国民
党の独裁強権政治への抵抗から生まれた民主化運動と民進党の功績をアピールした。

 戒厳令は、中国大陸での国共内戦の敗色が濃くなった1949年5月に国民党が台湾全土
に布告。同年12月に蒋介石率いる国民党政権は台湾に逃れた。以後、世界史上最長の38
年に及ぶ戒厳令下で「白色テロ」と呼ばれる政治弾圧を行い台湾民衆を支配した。

 台北市の総統府で同日始まった「戒厳令解除二十周年民主運動映像展」の式典で、陳
総統は「20年前の今日、台湾人民の38年間の足かせが取れた。それは民衆の力と、投獄
・犠牲となった先人たちが歴史の新しいページを開いたものだ」と述べ、民主化運動と
民進党の果たした役割を強調した。14日には21年前に民主化勢力が反戒厳令集会を行っ
た台北市の龍山寺でも式典を開き、陳総統や民進党の次期総統選候補の謝長廷氏らが参
加した。

 また、行政院新聞局は11日、白色テロでの政治的迫害は6、7万件、軍事裁判を受け
た被害者は20万人に上るとの報告を明らかにしている。

 これに対し、防戦の立場に追い込まれている国民党は「20万人は誇張された数字」と
反論。10日に開いた座談会では、戒厳令を解除した故・蒋経国総統の功績も強調した。
同党の総統選候補の馬英九氏は15日、「国民党がかつて反対運動を弾圧したのは事実だ
が、民主化の過程で性格を変え、その推進を担っている」と訴えた。


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