台北日本人学校が李登輝元総統の少年時代の物語を取り入れ道徳副読本を作成

 台湾・台北市の天母(士林区中山北路6段)にある台北日本人学校(台北市日僑学校)は、小学部と中学部からなる生徒数750名弱の世界の日本人学校の中でも有数の大規模校だという。台湾日僑協会(日本人会)を設立母体としている。

 李登輝元総統が亡くなられて3年目のご命日を迎えた7月30日、日本台湾交流協会台北事務所の泉裕泰代表はフェイスブックで、台北日本人学校は李登輝元総統が農業経済学を志したきっかけや父親とのエピソードを取り入れた道徳の副読本教材を作成したことを伝えている。

 この副読本は『あなたは「李登輝」について知っていますか?』と題したもので「台湾で学ぶ日本の子どもたちが、この副読本教材に触れることで、台湾を民主化に導き、日台関係の深化に最後まで尽力された偉大な人物の一端に接し、少しでも心に留めてくださることを願ってやみません」と紹介している。

 下記にその全文をご紹介したい。

—————————————————————————————–台北日本人学校が李登輝元総統をテーマに道徳の授業で使用する副読本教材を完成【日本台湾交流協会:2023年7月30日】https://m.facebook.com/JapanTaiwanExchangeAssociation?_rdr

 本日は、李登輝元総統が世を去られてから3度目の命日です。

 今日と変わらない盛夏のなか、多くの人々が献花のために列を成していた台北賓館に私も足を運んだ日を昨日のことのように思い出します。しかし、3年の月日が流れても、今なお私たちは李元総統が遺されたものの大きさを改めて感じずにはいられません。

 このほど、台北日本人学校では、李登輝元総統をテーマに、道徳の授業で使用する副読本教材を完成させました。すでに小学部ではこの教材を使った授業が行われたと伺っています。

 実は李登輝元総統と台北日本人学校は浅からぬ縁があります。

 1970年代、当時松山区にあった日本人学校は、学生数の増加により移転を余儀なくされていましたが、なかなか適当な土地が見つからずに困惑し、ついには当時の李登輝・台北市長に陳情するに至りました。のちに台北市教育局の支援により、台北日本人学校は天母に移転先の土地が見つかり、校舎建設の工事が始まります。公務中の李市長は、工事現場を通りかかると、わざわざ車から降りて進捗状況を見に行くこともあるほど、大きな関心を持っていて下さったそうです。

 この副読本教材は、台北日本人学校と財団法人李登輝基金会が協力して完成させたもので、2つの物語が収められています。

 地主の家に生まれた李登輝少年が、農民の苦しい生活を目の当たりにし、「どうして同じ人間なのに、ぼくらの暮らしとこんなにちがうのだろう」と感じ、農家の人たちの暮らしを少しでも楽にしてあげたいという気持ちから農業経済という学問を志した物語。

 そして、百科事典を買いたいという李少年のため、明け方から親戚じゅうを駆けずり回ってお金を準備してくれたお父さんと、父のあふれる愛情に接した李少年の温かな気持ちが伝わってくる物語です。

 縁あって台湾で学ぶ日本の子どもたちが、この副読本教材に触れることで、台湾を民主化に導き、日台関係の深化に最後まで尽力された偉大な人物の一端に接し、少しでも心に留めてくださることを願ってやみません。

 2023年7月30日 日本台湾交流協会台北事務所代表 泉裕泰

──────────────────────────────────────

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


投稿日

カテゴリー:

投稿者: