台湾との交流を積極的に進めている青森県の三村申吾(みむら・しんご)知事は青森県りんご対策協議会と連携し、2018年12月12日から16日に「青森プロモーション」を実施した際の13日、県内の産学官と金融機関でつくる「イノベーション・ネットワークあおもり」と台日商務交流協進会、台北市進出口商業同業公会の2つの経済団体と「経済交流覚書」を締結している。
ちなみに、台日商務交流協進会は1992年に設立され、貿易、金融、機械金属、電機電子等の業種による代表的企業や財団法人、団体等の団体会員約100社が加盟し、一方の台北市進出口商業同業公会は1947年に設立され、貿易業者のスポークスマンとして政府との橋渡し役を果たし、5,800社で構成される台湾最大の貿易関連経済団体だ。
去る8月26日、「イノベーション・ネットワークあおもり」は「台北市進出口商業同業公会」から医療用3層マスク5,000枚を寄贈されたという。
また、福岡商工会議所は2019年12月、台北市進出口商業同業公会と「経済交流促進に関する覚書」を締結したことから、青森と同じ8月26日、医療用3層マスク5,000枚を寄贈されたそうだ。
武漢肺炎により日本経済が疲弊停滞する中、台湾からまさに「雪中送炭」のマスク寄贈だ。このような事例は枚挙に暇がないほどで、心から謝意を表したい。
◆東奥日報:台湾の経済団体がマスク5000枚寄付[8月27日] https://www.toonippo.co.jp/articles/-/400236
—————————————————————————————–台湾の経済団体が福岡商工会議所に医療用マスクなどの支援物資を寄贈【Net IB News:2020年8月26日】https://www.data-max.co.jp/article/37300
台湾・台北市進出口商業同業公会が、福岡商工会議所に医療用マスク5,000枚などの支援物資を寄贈した。
8月26日に福岡商工会議所で贈呈式が行われ、台北駐福岡経済文化交流弁事処の陳忠正総領事(同業公会理事長代理)、台湾貿易センター福岡事務所の駱慧娟所長、福岡商工会議所の藤永憲一会頭、境正義専務理事らが出席し、陳総領事と藤永会頭が挨拶を行った。
福岡商工会議所と台北市進出口商業同業公会は昨年12月、経済交流促進に関する覚書(MOU)を締結している。台北市進出口商業同業公会は貿易関連企業約5,800社で構成される台湾最大の貿易関連経済団体であり、名古屋、東京、札幌など日本国内各地の商工会議所と業務提携している。
今回、台北市進出口商業同業公会側から友好関係にある福岡商工会議所にマスクの提供を打診したとのことだ。医療用マスクについて、福岡商工会議所の関係者によると、経営支援窓口業務において、地場企業からの新型コロナウイルス関連の相談に対応している経営指導の場において活用される予定。
覚書が締結された経緯としては、台北市進出口商業同業公会から福岡商工会議所に対して締結の提案がなされた。また、陳総領事によると、福岡商工会議所が会員向けに経済交流を希望する国・地域について調査を行ったところ、台湾とする回答が最多であったという。
新型コロナウイルスの感染拡大のため、覚書締結直後から両地域間の経済往来が停滞してしまっている状態であるが、一日も早く往来が再び活発になること、贈呈していただいたマスクへの恩返しができることを期待したい。
【茅野 雅弘】
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