日本統治時代の台湾で、不毛の地と呼ばれていた台湾南部の嘉南平原に烏山頭ダムと嘉
南大[土川](水路網)を建設し、それによりこの地を肥沃な一大穀倉地帯へと変え、現
在でもその一帯の人々の生活を潤している大事業を成し遂げた金沢出身の技師・八田與一
(はった・よいち)氏の偉業を描いたアニメ映画「パッテンライ!!〜南の島の水ものがたり」の完成試写会が(同製作委員会、北國新聞社、虫プロダクションの共同製作)昨年の
金沢および東京・新宿での開催に続き、1月30日、東京の文京シビック小ホールで、台北
駐日経済文化代表処(以下、代表処)ならびに虫プロダクションの共同主催で再度開催さ
れた。
同映画はアニメ映画ということもあり、当日は多くの親子ずれの観客により370席あま
りの会場はほぼ埋め尽くされた。また、代表処から馮寄台・駐日代表ならびに羅坤燦・駐
日副代表をはじめ、代表処の関係者も数多く訪れた。
映画上映前には同映画製作関係者のあいさつがあり、虫プロダクションの伊藤叡(いとう・さとし)代表取締役が「この映画の登場人物に子供を配し、八田氏が困難にくじけず
努力していく姿を通して、登場する子供たちも変わっていく姿を描いたものだ」と紹介し
た。
続いて馮・駐日代表が「昨年行われた総統選挙期間中、当時総統候補であった現在の馬
英九総統から初めて烏山頭ダムや八田與一氏についての話を聞いた。また、私が日本へ駐
日代表として赴任する前にも、日本交流協会台北事務所の齋藤正樹・代表と共に、烏山頭
ダムと八田氏の墓参に行った。馬総統は日本から台湾を訪れた来賓と会見するたびに、『北
回帰線上にある国々を見ると砂漠地帯が多いが、台湾だけは15万ヘクタールの水田がある。
これは八田氏によるこのダムと嘉南大[土川]のおかげであり、砂漠となるはずであった
土地が穀倉地帯になった』と毎回話題に出している。また、駐日代表処から日本の友人の
方々を台湾に招く際には、台北で後藤新平氏が作り現在重要な文化財になっている『台北
賓館』の見学、日本人との協力で作った台湾高鉄(台湾新幹線)の乗車、そして台湾新幹
線を台南駅で下車後この烏山頭ダムを見学していただくようにアレンジしている」とあい
さつし、さらに「将来、台湾で同映画が上映される時には馬総統が必ず見に行くようアレ
ンジします」と紹介した。
また、同映画製作の支援発起人である、東京大学の高橋裕・名誉教授は「八田氏は昭和
17年5月8日に長崎県五島列島沖で戦死されたが、台湾で毎年行われている八田夫妻の墓前
祭に私も3回出席したことがある。私は八田夫妻の墓前祭について感動することがある。
それは、台湾の方々が毎年欠かさず集まり墓前祭を行い、その偉業を感謝していることで
ある。亡くなって60年以上も経ってもなお変わらず、『恩に報いる精神』を台湾の方々が
示されていることに感動すると共に、これは八田氏の偉業がそれだけすばらしく、今でも
感謝されていることを物語るものでもある。八田與一氏を通して、日本と台湾の人々がつ
ながっていることが嬉しい」と熱く語った。
そのほか、同映画を製作した石黒昇・監督をはじめ、八田與一夫人の声を担当した一青
妙(ひとと・たえ)さんもあいさつを行い、石黒監督は「1人の人間が偉大なことを成し
遂げたことを伝えたかった。明治の男は偉かった。こんな人間がいたことをわかってもら
いたかった」と述べ、一青妙さんは映画の中の八田夫人について「本来あるべき日本人女
性の姿を感じた」と印象を語った。
また、八田氏の末娘の八田成子(はった・しげこ)さんも「台湾に墓参に行った際、馬
総統や李登輝元総統にもお目にかかった。李元総統から、『台湾の今があるのは水があり、農地があり、米が作れるからだ』と言われ嬉しかった。台湾は私の故郷だ」とあいさつし
た。
同映画は今年5月に、シネマート新宿での劇場公開が決まっている。関係者は一人でも
多くの方に見ていただき、この映画を成功させたいと期待している。
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「奥の細道」をたどり、後藤新平賞授賞式や秋田の国際教養大学、ホテルオークラ東
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際空港に至る「思索と感謝の旅」に密着。名古屋空港での歓迎、清水寺参拝、故司馬
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