今年の掉尾を飾る「日台共栄の夕べ」で戸籍問題の解決をお祝い

日本李登輝友の会は12月21日、今年の掉尾を飾るイベントとして毎年恒例の「日台共栄の夕べ」を東京・千代田区のアルカディア市ヶ谷において開催しました。

会場には、李逸洋・台北駐日経済文化代表処代表や金美齢・総統府元国策顧問などの来賓や、北海道から鹿児島まで約120名の会員などが駆けつけ、本会が15年前から取り組んできた戸籍問題を解決に導いていただいた日華議員懇談会「戸籍における国名表記問題に関するプロジェクトチーム」の座長の滝波宏文・参議院議員が「台湾出身者の戸籍問題 解決の経緯」と題して講演し、長年の懸案が解決したことをお祝いしました。

また、体調不良で来日できなくなった李安[女尼]李登輝基金会理事長に代わって、急遽、同基金会の早川友久・顧問が台湾で開かれている「AI李登輝特別展」の意義などについてオンラインで講演しました。

◆滝波宏文・参院議員が戸籍問題解決の経緯を講演

第1部「講演会」は、渡辺利夫会長が体調を崩したことから、浅野和生・副会長が開会の挨拶を述べ、6月に本会名誉顧問に就任した「李安[女尼]さんと安倍昭恵さんを囲む会」を開いたことや、7月に初めて実施した「台湾を訪ねる国内ツアー・東京編」、11月の第35回李登輝学校研修団、12月の「役員訪台団」などを実施したことを報告。

また、李逸洋・台北駐日経済文化代表処代表と総統府元国策顧問の金美齢氏が来賓として挨拶し、滝波議員と早川氏の講演に移りました。

李代表のご挨拶の詳細は代表処のホームージで報じていますので、別途ご紹介します。

滝波議員の「台湾出身者の戸籍問題 解決の経緯」と題した講演では、戸籍問題がどのようにして解決されたのかにつき、日華議員懇談会の木原稔・事務局長(現、内閣官房長官)や山下貴司・元法相、そして滝波議員の3氏が当時の斎藤健法相に掛け合ったことなどの経緯を説明していただきました。

自らが台湾出身者の女性と結婚し「台湾の婿」とも言われる滝波議員ですので、戸籍問題への取り組みはまさに我が事であり、その真剣な取り組みが法務大臣や法務省を突き動かしたようです。

戸籍という日本の公文書において、台湾出身者を「台湾」と表記できるようになったことは、台湾人の人権や尊厳守り、実害をなくすことに寄与するとともに、台湾を中国の領土だとする中国の一方的な主張を日本は「理解し、尊重」するものの、承認したわけではないことを戸籍という公文書で示すことになりました。

台湾出身者をこれまでのように戸籍で「中国」としておくことは、「一つの中国」を日本が公文書で承認している証だとみなされかねない懼れがありました。

しかし、戸籍において台湾出身者を「台湾」と表記することで、その懼れを完全に払拭できました。

まさに日本と台湾の国益に資する画期的な出来事でした。

滝波議員をはじめ日華議員懇談会の古屋圭司会長や木原稔事務局長に、「戸籍法施行規則の一部を改正する省令」を出すように取り組んでいただいたことに、この場を借りて改めて御礼申し上げます。

滝波議員の講演後、同席された史織夫人にも滝波議員のご活躍について機智に富んだエピソードを披露していただきました。

短いご挨拶でしたが、「山内一豊の妻」を彷彿させるかのような賢夫人のお話に、会場からは滝波議員にも負けないほどの大きな拍手が起こりました。

続いて行われた早川友久李登輝基金会顧問による「AI李登輝特別展」に関するオンライン講演では、9月に訪台した故安倍晋三総理夫人の安倍昭恵さんがAI李登輝と対話したとき「初めまして、安倍昭恵です」と挨拶すると、AI李登輝は「私は安倍昭恵さんという方を知りません」と答えたことなどのエピソードを紹介。

これは、生前の李登輝元総統が安倍昭恵夫人とお会いできなかったため、安倍昭恵夫人に関する日本語情報がインプットされていなかったことが原因だったそうで、日本語による学習がまだまだ足りない現状を訴え、特別展が開かれている2年の間に、日本からも駆けつけて日本語による学習を深めてもらいたいなどと呼びかけました。

◆第2部のお楽しみ抽選会に高市総理就任をお祝いするチョコ

第1部は清水志摩子・常務理事の閉会挨拶をもって終了し、続く第2部の「大忘年会」は、梅原克彦・副会長の開会挨拶、元産経新聞台北支局長の河崎眞澄・東京国際大学教授の来賓挨拶、そして作家でジャーナリストの門田隆将氏による乾杯発声をもって清宴(懇親会)に入りました。

ただ、第1部講演会が時間的にかなり押したため、料理を食べながらの「お楽しみ抽選会」になりました。

今年も「お楽しみ抽選会」には、代表処からのOMAR(オマー)シングルモルトウイスキーとカバラン・ウイスキー各1本など、11組の方々から24種類、120点を超える景品をご提供いただきました。

中でも、目を引いたのが日本はおろか台湾でも販売されていないという、高市早苗さんの総理就任をお祝いする記念のチョコレートでした。

台湾の義美食品という超有名な食品メーカーが作ったチョコレートです。

これは、ほぼ毎月、仕事で台湾に行っている理事の大森徳龍氏があるルートを通じ、独自に入手してきたもの。

実はこのチョコレート、台湾からの発送が間に合わず、なんと大森氏自身が12月19日に台湾に飛んで、日帰りで持ち帰ったチョコレートでした。

高市総理の顔写真をあしらった6個入り1パックのこの高市チョコが、来賓の方々には1パック、参加者全員に1個ずつふるまわれ、景品としても10パック提供され、この大盤振る舞いに参加者も大喜びでした。

その他にも、本会会員でピアニストの竹内直子さんから、自ら作曲したピアノ曲「Formosa Verde(緑の台湾)」も入っているアルバム2枚や、本会理事でJR東海副社長だったの阿久津光志氏から、李登輝元総統のご著書や「ドクターイエロー御朱印帖ブック」など鉄道関係のグッズ、本会理事で鹿児島県支部長の前薗博隆氏からは鹿児島県産の焼酎12本とムクナ豆10袋、会員の川又一郎氏からは「日用品10点福袋」など、多くの景品が提供され、ハズレなしの抽選会はおおいに盛り上がりました。

予定時間をオーバーしましたが、台湾総統府国策顧問や全日本台湾連合会会長をつとめる本会の趙中正・副会長最後の締めの挨拶を行い、今年の「日台共栄の夕べ」をつつがなく盛会裡に終えることができました。

ご参加いただいた方やご協力いただいた方々に深く御礼申し上げます。

なお、「日台共栄の夕べ」の模様は、台湾の中央通信社が滝波議員の講演を中心に報道していますので下記にご紹介します。

◆日本戸籍可寫台灣 「台灣女婿」瀧波宏文掲正名内幕【中央通迅社:2025年12月22日】https://www.cna.com.tw/news/aopl/202512210190.aspx


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