中国が輸入停止した台湾パイナップルを日本で買って台湾に恩返し

 本誌2月27日号で取り上げた中国による台湾産パイナップル輸入停止、停止まで4日しかないという発表に驚くとともに、この非常識な中国の対応に多くの日本人も憤ったようです。

 ネットなどではどこで台湾産パイナップルを買えるのかなどの情報が飛び交っていて、日本でもこの問題がかなり広まっている印象です。

 台湾への「イヤガラセ」と受け止めた人も多く、中国がオーストラリアのワインに追加関税200%という高関税をかけ、実質的に販売停止に追い込んだことを思い出した人も少なくなかったようです。

 折しも、東日本大震災から10年という節目の年を迎え、震災が起こった3月11日を間近に控えて日本台湾交流協会台北事務所が「日台友情エピソード」を募集し、台湾への関心が高まっているさなかに起こった問題でした。

 250億円を超える義捐金や多大な支援物資を送っていただいた台湾へ、いまこそ困っている台湾に台湾産パイナップルを買って恩返しするときだと思った日本人も多く、そのような日本人の思いに応え、フリーランスライターの沢井メグさんが「中国が禁輸で…注目の『台湾パイナップル』が日本にやってくる! どんな味? どこで買えるのか調べてみた」というレポートを発表していました。下記にご紹介します。

 なお、ライチやマンゴーなどの台湾産くだものを案内している本会へも数件の問い合わせがありました。本会案内のマンゴーなどを輸入している業者に確認してみますと、かつては台湾産パイナップルを店舗用に取り扱ったこともあるそうですが、現状では取り扱っておらず、要望が多ければ取り扱う可能性はあるものの、今のところ取り扱うことを予定していないとのことでした。

 台湾からのパイナップルは、日本向け輸出用にはまず世界一厳しいとも言われる日本の農薬基準をクリアする必要があります。ここが農薬チェックのない中国向けと大きく異なる点です。つまり、最初から日本向けに作っていないと、日本には出荷できないことになります。加えて、害虫などが入っていないかどうかを検査する植物検疫も受ける必要があります。

 また、パイナップルの場合はコンテナに積んで船便で出荷されるのが一般的で、空輸は少ないようです。船便用のコンテナのサイズは20フィートと40フィートあり、20フィートサイズの場合は600kgまで積むことができるそうです。パイナップルが1個の重さは約2kgですから、めいっぱい積んで300個ほどの輸入となり、店舗を持つ業者が輸入する数としては1コンテナだけでも結構な数となります。やはりここは店舗数が多く、輸入経験のある大手スーパーの出番のようです。

—————————————————————————————–中国が禁輸で…注目の「台湾パイナップル」が日本にやってくる! どんな味? どこで買えるのか調べてみた 沢井 メグ(フリーランスライター)【まいどなニュース:2021年3月3日】https://maidonanews.jp/article/14233959

 台湾の果物と言えば、マンゴー、ライチ、バナナ……そして忘れちゃならないのが、パイナップルだ。お土産にパイナップルケーキがあるくらいだ。当然、台湾ではパイナップルも栽培されているが、日本ではこれまで生の台湾産パイナップルに出会う機会が少なかったと言えるだろう。

 しかし2021年は様子が変わりそうだ。2月26日に、害虫の検出を理由に中国が3月1日から台湾産パイナップルの輸入停止を発表。これまで台湾産パイナップルの中国への出荷量は輸出全体の9割を占めていた。それが停止になるとは……0農家が大打撃を受けるなか、活路として期待が高まっているのが日本への輸出だ。今後、日本へのパイナップルの輸出量は倍になる見通しという報道もあり、それに呼応して日本のネットユーザーからも「ぜひ買いたい」という声が高まっている。注目の台湾産パイナップルとはどんなパイナップルなのだろうか?

◆台湾産パイナップルってどんな果物?

 現在、台湾では10種類以上のパイナップルの品種が栽培されている。例えば、原産系の酸味が強いものから、ミルクのような香りがするもの、リンゴのようなシャクシャクした食感のものなど……代表的な品種を見るだけでも「パイナップルとはこんなにもバリエーションが豊かなのか!」と驚くばかりである。

 その中でも生産量の8割を占めるのが「金鑽パイナップル」だ。金鑽パイナップルは、酸味が控えめで甘みが強い品種で、果肉が柔らかく芯まで食べられるというのが特徴。皮も薄く剥きやすい。美味しい上にほとんど捨てるところがないのだ。日本で手に入るパイナップルは、芯はそのままでは食べられないものが多い。金鑽パイナップルとの出会いは日本人が持つパイナップルのイメージを変えることだろう。

 さて、パイナップルというとなんとなく夏のイメージがあるが、台湾産パイナップルの主要産地で最も収穫期が早い屏東県の場合、収穫期は2月〜6月頃。つまり、これからが台湾産パイナップルが美味しい季節なのである。

◆日本ではどこで買える?

 そうなると気になるのが日本での販売店だ。台湾の報道によると、販売店の1つとして大手スーパー西友の名があがっているが、事実なのだろうか? そこで西友の広報に問い合わせたところ、西友でも台湾産パイナップルの取り扱い予定はあるとのこと。ただし、3月2日現在、店頭に並ぶ具体的な日程は未定とのことだった。

 そのほか、台湾では日本の他のスーパーやネット通販でも台湾産パイナップルが取り扱われると報じられているが、何しろまだ中国の輸入停止の発表から日が浅く、台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)のツイートによると日本向けの台湾産パイナップルは2月27日に出発したばかりだ。果物の輸入には通関や輸送などの手続きもある。台湾産パイナップルを食べてみたい人は、はやる気持ちを抑えながら楽しみに待とう。

──────────────────────────────────────※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


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