て、対中国政策の見直しに関して「アメリカは依然として、台湾の安全に対する約束を守るとい
う、高度な意欲をもっている」と発言、台湾の外交部も高く評価したという。台湾国際放送の記事
を下記に紹介したい。
本誌でお伝えしたように、米国国防総省は6月6日に「「2017年版 中国の軍事力に関する年次報
告書」発表。この中で、米国の対台湾政策について「米中間の三つの共同コミュニケ」と「台湾関
係法」に基づく『一つの中国政策』を維持する立場を改めて強調したと伝えられている。
「米中間の三つの共同コミュニケ」とは、1972年の上海コミュニケ、1979年の国交樹立に関する
コミュニケ、1982年の第2上海コミュニケのことを指し、いずれも中国が「台湾は中国の一部分で
あると主張していることを認識(acknowledges)している」とし、外交用語の「承認する(approve)」
や「同意する(concur)」を使っていない。
また、米国が「防御的な性格の兵器を台湾に供給する」と定めた台湾関係法は、1979 年3 月に
上下両院で可決し、4 月10 日にジミー・カーター大統領が署名、そして中国との国交を樹立した
同年1 月1 日に遡って発効させている米国の国内法だ。
米国には「米中間の三つの共同コミュニケ」と「台湾関係法」の他にも、「台湾の安全に対する
約束を守るという、高度な意欲」を示すものとして「台湾に対する『6つの保証』」がある。
これは、ロナルド・レーガン大統領時代の1982年7月14日、兵器供与などに関して下記の「6つの
保証」を定め、台湾側に伝えていた。
(1) 台湾への武器供与の終了期日を定めない。
(2) 台湾への武器売却に関し、中国と事前協議を行なわない。
(3) 中国と台湾の仲介を行わない。
(4) 台湾関係法の改正に同意しない。
(5) 台湾の主権に関する立場を変えない。
(6) 中国との対話を行うよう台湾に圧力をかけない。
昨年の7月6日には、米国連邦議会の上院は下院でも可決された「『台湾関係法』と台湾に対する
『6つの保証』を米台関係の基礎とすることを再確認する両院一致決議案」を可決し、米国と台湾
の関係の基礎と位置づけている。
トランプ大統領の発言もティラーソン国務長官の発言も、「米中間の三つの共同コミュニケ」
「台湾関係法」「6つの保証」の内容に沿っており、逸脱することはない。
外交部、米国務長官の発言に好感
【台湾国際放送:2017年6月15日】
外交部が、アメリカ国務長官の発言を高く評価した。外交部北美司の薛美瑜・司長は、アメリカ
のティラーソン国務長官が議会で台湾に対する約束を重ねて表明したことに、好感を示した。
ティラーソン国務長官は、このほどアメリカ議会の予算案に関する聴聞会で、台湾と中国大陸の
台湾海峡両岸関係について触れ、「アメリカの過去50年にわたる、いわゆる『1つの中国』政策
は、地域の安定を確保し、衝突を避けてきた。アメリカと中国大陸は現在、未来の50年の状況につ
いて討論している。しかし、アメリカは依然として、台湾の安全に対する約束を守るという、高度
な意欲をもっている」と述べた。
これについて、外交部北美司の薛・司長は15日、「非常に明確で、一貫した情報を含んでいると
考えている。非常に前向きの発言だと認識している」と指摘、高く評価した。