スロバキアが過去最大の43人からなる台湾訪問団を派遣

 今年は米国の議員団が3度(6月と11月)も台湾を訪れているが、ヨーロッパからも台湾を訪問するケースが相次いでいる。

 10月6日にフランスのアラン・リシャール元国防省率いる上院議員団4人が訪台したのに続き、11月3日には欧州連合(EU)欧州議会の公式代表団として、フランス選出のラファエル・グリュックスマン議員を団長に、リトアニアのアンドリュス・クビリュス元首相やチェコ、ギリシャ、イタリア、オーストリアの6カ国から選出の7人と議会事務局スタッフ13人を派遣している。

 11月29日には、リトアニア議会の台湾友好団体の代表であるマルデイキス議員を団長とするエストニア、ラトビアの国会議員が、台北で開催されるフォーラム「2021年開放国会論壇」に参加するために訪台している。

 今度は、昨年8月30日にチェコ共和国のミロシュ・ビストルチル上院議長など代表団90人の訪台を支持したスロバキアから、経済政務次官が率いる政府や産学関係者43人が11月5日から台湾を訪問している。

 台湾の外交部によれば「訪問団は経済、外交、教育やスポーツ、投資などさまざまな省庁の高官に加え、スロバキア政府が推薦する宇宙産業やバイオテクノロジー、半導体などの企業の代表からなる。大規模な訪問団の派遣は、2003年にスロバキアが台湾に代表処(大使館に相当)を置いてから初めてだとしている」(中央通信社)という。

 一行は10日まで滞在する予定で、経済連携について話し合う会議を台湾と共同で開催する。朝日新聞が詳しく伝えているので下記に紹介したい。

—————————————————————————————–スロバキアの高官も訪台 「過去にない規模」欧州と台湾がまた接近【朝日新聞:2021年12月6日】https://www.asahi.com/articles/ASPD56RDQPD4UHBI02B.html

 中欧スロバキアの経済政務次官が率いる政府や産学関係者が5日、台湾を訪問した。10日まで滞在し、台湾が世界をリードする半導体製造などをはじめとする経済や研究面での協力を話し合う。台湾には11〜12月にバルト3国の議員団が訪れたばかりで、欧州の国々との関係強化が目立っている。

 台湾外交部(外務省)によると、スロバキアの訪問団は43人。経済や外交、科学技術や投資などを担う各官僚のほか、25の企業の経営者らからなる。外交部は「政府高官の地位や人数では過去にない規模で、大きな意義がある」との声明を出した。

 スロバキアはチェコスロバキア時代の1968年に国内の民主化運動「プラハの春」をソ連(当時)軍に弾圧された経験があり、強権体制に対する忌避感が根強い。現在は欧州連合(EU)のほか、北大西洋条約機構(NATO)に加盟する。

 国内には英独仏などの自動車産業が集積し、台湾とは近年、経済や科学技術面での協力を強化してきた。今年10月には台湾の呉?燮(ウーチャオシエ)外交部長(外相)や政府や産業界の関係者の訪問を受け入れた。台湾が新型コロナのワクチン不足に直面した際には、日米などとともに所有するワクチンを提供した。(台北=石田耕一郎)

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


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