【読者投稿】赤シャツは敵か? [台湾団結連盟日本支部幹事長 片木 裕一]

赤シャツは敵か?

                     台湾団結連盟日本支部幹事長 片木 裕一

 昨年9月、陳水扁の退陣を迫る元・民進党主席の施明徳が主催して大々的に座り込み
・デモを行った。裏で国民党や親民党がバックアップした、との噂もあるが、明確では
ない。

 この運動は打倒陳水扁ではあるが、国民党への大政奉還目的ではない。募金は億を超
えた、連日集まった人数は万を超えたのは事実である。民進党・陳水扁への裏切りとも
言える行為である。

 ここで注目すべきは、集まった人民の思惑。

 勿論ブルーも多数いる。「赤シャツ」を旗色にしたのもいかがなものかと思う。しか
し、「陳水扁の行政は誤り」「もっと庶民を大切にしろ」という主張は理解できる。こ
れを民進党及びその支持者はどう思うか? 勿論快く思う訳はない。

 しかしこれを無視すると、彼らは投票の際、、棄権するかもしれないし、最悪は国民
党を選ぶかもしれない。国民党は今や「生活重視」を掲げており、民進党の台湾アイデ
ンティティ路線に対抗している。

 台湾団結連盟は「格差是正・弱者救済」を掲げている。このポイントにおいては、民
進党とは対立しない。ここに李登輝さんの「統独問題で争そうな、一般市民を重視せよ」
が出てくる。民進党と争うことなく、国民党のスローガンを喰ってやろう、という意志
がある。

 民進党との選挙協力は大切であるが、それは至上命題ではなく、台湾の一般市民の生
活向上がもっと大切と言う。それを理解しない候補者を切ったまで、というか、自身の
地位が大切なら、どうぞ民進党へ、という姿勢。

 民進党が相手にしない「赤シャツ」支持者に、一部でも緑陣営に投票させようという、
身を切って台湾を救おう、という気概を感じてほしい。台湾団結連盟はただの「陳水扁
路線の打倒」政党ではないし、そうあってはいけない。

 仮に党がなくなっても、台湾のため邁進すべきという李登輝理念を感じ取ってもらえ
れば幸いである。



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