【訃報】 黄文雄・前本会副会長が逝去

かねて療養中だった黄文雄(こう・ぶんゆう)前本会副会長が7月に逝去されていたことが分かりました。

本会関係者からの連絡によりますと、葬儀は近親者で執り行い、お別れの会などの予定はないそうです。

黄文雄氏は昭和13年(1938年)12月5日のお生まれでしたので満85歳でした。

これまでのご教導に深甚の謝意を表し、心からご冥福をお祈り申し上げます。

日本李登輝友の会は2002年(平成14年)12月に設立されていますが、設立は黄文雄氏なくしてありえませんでした。

当時、黄文雄氏は林建良氏(後の常務理事)とともに台湾に赴き、李登輝元総統にお会いして日本に日本李登輝友の会を設立することの内諾をいただいて帰国しました。

黄氏は拓殖大学日本文化研究所客員教授だったことから、当時の小田村四郎・同大総長を訪ねて設立を相談し、ご快諾いただいたことで設立に向けた本格的な活動がはじまったという経緯があります。

2002年(平成14年)12月に日本李登輝友の会が設立され、阿川弘之氏を会長に、小田村四郎氏や岡崎久彦氏ら5人が副会長に就き、黄氏と林氏らは常務理事に就いてスタートしました。

その後も、黄文雄氏には第1回目の「日台共栄の夕べ」で講演するなど、その知名度を生かして本会活動に尽力されました。

2011年1月には副会長に就任し、2022年12月まで12年間つとめていただきました。

副会長時代にも、台湾セミナーで講演し、また『黄文雄先生と行く 国交を越える日台の絆を探る旅』という台湾ツアーでは台湾各地をご案内していただきました。

また、ある本の印税をそっくりご寄付いただくなど、財政的なご支援もしていただきました。

晩年は、物書きの生命線である目を患い、数年前から公のところには出られなくなりましたが、それでも今年で11年目を迎えたメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』を毎週水曜日に発行し、今年2月までは執筆されていたそうです。

黄文雄氏は一方で台湾独立建国聯盟日本本部委員長も長くつとめ、台湾が中華民国体制から脱却し、真の独立国となるよう力を尽くされました。

台湾独立の運動家にもかかわらず、また恐い印象がある風貌にもかかわらず、黄文雄氏の怒った顔を見たことがないという方が多く、そのお人柄は誰からも好かれました。

改めてこれまでのご厚誼に感謝申し上げ、ご冥福をお祈りいたします。

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黄文雄(こう・ぶんゆう)氏1938年(昭和13年)12月、台湾・岡山生まれ。

1964年に来日し、早稲田大学商学部卒後、明治大学大学院経済史学修士課程修了。

『中国之没落』が大反響を呼び評論家活動へ。

1994年、巫永福文明評論賞、台湾ペンクラブ賞受賞。

日本、中国、韓国など東アジア情勢を文明史の視点から分析し、高く評価されている。

主な著書に『黄文雄の近現代史集中講座』シリーズ、『哲人政治家 李登輝の原点』『日本人はなぜ世界から尊敬され続けるのか』『中国人が死んでも認めない捏造だらけの中国史』『犯韓論』『中国が世界地図から消える日』『世界が憧れる天皇のいる日本』『中国の自業自得』『終韓論』など多数。

文明史家。

2024年7月、逝去。


※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。