れ、現在の長崎県平戸市で鄭成功を産み、鄭成功は7歳まで平戸で育ったと伝えられる。
この平戸市では毎年、6月23日の命日の約ひと月遅れで鄭成功を偲ぶ神式の祭祀を行って
いる。今年も7月13日と14日に「鄭成功まつり」が行われた。
13日に行われた前夜祭には、台南市から顔純左・副市長や李退之・市議など7名を率いた
頼恵美議長も参加。ここで、黒田成彦(くろだ・なるひこ)市長などの立ち合いの下、平
戸市民会の藤沢美好会長と台南市台日友好交流協会の郭貞慧理事長が観光促進や教育・経
済交流をはかる「市民交流促進協定」を締結した。心から祝意を表したい。
翌14日には、生誕祭とともに、鄭成功が幼少期を過ごした川内町の居宅跡に生家を再現
した記念館開館の式典が行われた。
台湾・外交部の「Taiwan Today」が署名した「市民交流促進協定」を掲げる顔純左副市
長と黒田市長の写真を掲載しているので、下記に紹介したい。また、台南市「市政新聞」
も速報で伝えているのでご紹介したい。
なお、これを伝える「西日本新聞」の記事では、鄭成功について「中華民族の英雄」と
いう表現を使っている。違和感を覚える表現だ。
李登輝元総統はかつて司馬遼太郎との対談で「いままでの台湾の権力を握ってきたの
は、全部外来政権でした。……国民党にしても外来政権だよ」と述べたことがある。オラ
ンダ、スペイン、鄭成功、清、日本、国民党(中華民国)、これすべて「外来政権」だと
指摘した。
鄭成功と国民党は似ている。大陸から追われ、大陸反攻を唱えたものの挫折している点
でよく似ている。しかし、李元総統に言わせれば鄭成功も国民党も外来政権でしかない。
台湾には、このような見解も根強いことを踏まえ、せっかくのおめでたい記事に水を差
さないよう配慮してもらいたいものだ。
◆台南市が鄭成功のふるさとで生誕祝う【Taiwan Today:2013年7月15日】
http://taiwantoday.tw/ct.asp?xItem=207238&ctNode=1906&mp=1001
写真:中央の赤いバラの胸章をつけているのが顔純左副市長、その右が黒田市長。
◆台南市訪問團參加日本平戸市鄭成功生誕祭【2013年7月13日:台南市市政新聞】
http://www.tainan.gov.tw/tainan/news.asp?id={46814DCE-73AA-450E-98B4-6C5C765D60ED}
平戸市に鄭成功記念館開館 台湾、中国からも祝福 [長崎県]
【西日本新聞:2013年7月15日】
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/nagasaki/article/26668
江戸時代初め、中国・明朝復興のために清朝と戦った鄭成功(ていせいこう)(1624〜
62)を顕彰する記念館が14日、平戸市川内町の居宅跡に開館した=写真。鄭成功ゆかりの
媽祖(まそ)像(平戸市文化財)や肖像画(複製)などを展示している。入館無料。
この日に合わせて平戸市と市民交流促進協定を結んだ台湾の台南市、金門県、中国の南
安市、鄭成功の子孫でつくる世界鄭氏宗親総会の各代表団が訪れ、完成を祝った。
開館に先駆けて生誕祭もあり、関係者約300人が参加。台南市の顔純左副市長が「平戸と
の友好関係をもっと強固にしたい」とあいさつした。
鄭成功は平戸で中国人海商の父と日本人の母の間に生まれ、7歳で大陸に渡った。1661年
に台湾をオランダ人の支配から解放し、中華民族の英雄とされている。
開館時間は午前8時半から午後5時まで。水曜定休。記念館=0950(24)2331。