分県中津(なかつ)市と台中市が翌2月9日、台中市において「自転車旅行と観光交流の促進に関す
る協定」を締結した。
調印式には奥塚正則(おくづか・まさのり)市長と陳盛山・台中市観光旅遊局局長が臨み、大分
からは岡本天津男・大分県企画振興部観光地域局長や草野修・中津市議会議長、台中市からは林陵
三・副市長らが立ち会った。
中津市の奥塚市長はすでに1月18日の定例記者会見において、台中市と「サイクルツーリズム及
び観光友好交流の促進に関する協定」を結ぶことを発表、その背景と今後の展開について「台中市
にはメイプル耶馬サイクリングロードと同じ鉄道廃線跡を活用した自転車道があることから、今回
の協定締結によりサイクルツーリズムの推進を図るとともに、互いの観光資源を活用した観光産業
の発展」を目指したいと述べている(下記「定例記者会見資料」参照)。
中津市には「メイプル耶馬(やば)サイクリングロード」があり、1982年に耶馬溪鉄道廃線跡を
利用した自転車道だそうで「整備紅葉のきれいな耶馬溪、菊池寛の『恩讐の彼方に』でも有名な
「青の洞門」など多くの景勝地を楽しむことができ、鉄道跡を利用したトンネルや鉄橋などバリ
エーションに富んだサイクリングロード」(中津市HP)だという。
一方の台中市にも、「東豊自行車緑廊」と「后豊鉄馬道」という台湾10大自転車道に挙げられる
サイクリングロードがあるという。
日台の景勝地同士がサイクリングロードを通じて交流をはかっていこうとする両市の積極的な姿
勢をおおいに讃え、心から祝意を表したい。
なお、すでに瀬戸内しまなみ海道(広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ全長約70キロのサイクリ
ングコース)と日月譚自転車道(周囲33キロの日月潭をめぐるサイクリングコース)が2014年10月
25日に日台初の「姉妹自転車道」を提携している。
台中市ではその日のうちに協定締結について「市政新聞」で伝え、中央通信社も昨日報じてい
る。下記にご紹介したい。
◆中市與日本大分縣自行車道結盟 深化國際觀光【2月9日付「市政新聞」
http://www.taichung.gov.tw/ct.asp?xItem=1790940&ctNode=24068&mp=1001D
◆「メイプル耶馬サイクリングロード」アジアへ発信!!【1月18日定例記者会見資料】
http://www.city-nakatsu.jp/mayor-docs/2017011700025/file_contents/04.pdf
◆中津市HP:メイプル耶馬サイクリングロード
http://www.city-nakatsu.jp/kankodocs/2014060400012/
台中市と大分県中津市、共同で自転車観光推進へ 協定締結/台湾
【中央通信社:2017年2月10日】
http://japan.cna.com.tw/news/asoc/201702100002.aspx
写真:調印式には奥塚正則市長(右2)と陳盛山・台中市観光旅遊局局長(左2)が臨んだ。
(台中 10日 中央社)台中市政府は9日、大分県中津市と、自転車旅行と観光交流の促進に関す
る協定を締結した。台中市の林陵三副市長は、今後双方の観光客の相互訪問が拡大し、台中の観光
資源を高めていければと期待を示した。
台中には、台湾10大自転車道に数えられる「東豊自行車緑廊」と「后豊鉄馬道」がある。一方、
中津市は日本で最も美しい自転車道と評されている「メイプル耶馬サイクリングロード」を擁す
る。この3つの路線はいずれも鉄道廃線を利用しており、沿線には橋やトンネル、旧駅舎などがあ
るという共通点がある。
台中市観光旅遊局は昨年、市内の自転車産業関係者らとともに大分県を訪問。奥塚正典・中津市
長らにサイクリング交流の推進を提案していた。
協定には台中市観光旅遊局の陳盛山局長と奥塚市長が調印。林副市長や大分県観光・地域局の岡
本天津男局長らが立ち会った。
台中市と大分県の間では、昨年から交流が活発化している。昨年2月に双方の温泉関係団体が協
定書を交わしたほか、同9月には両県・市が友好交流に関する覚書(MOU)を締結。また、同月には
双方を結ぶ定期チャーター便が就航した。
陳局長は、今回の協定締結が台湾の旅行業にとって転機となり、中部7県市で構成される「中台
湾観光連盟」と九州各県との交流が拡大していけばと述べ、台中を訪れる日本人観光客の増加を
願った。
(カク雪卿/編集:名切千絵)