台湾の玉山銀行が東京支店に続く日本第2の拠点としての福岡支店を開業したのは昨年(2023年)9月1日。
それからほぼ1年後の10月23日、今度は熊本出張所を開業した。
台湾に本店を置く銀行が直接、熊本に拠点を設けるのは初めてだという。
昨年、福岡に開業した際、玉山銀行はプレスリリースで自行について「玉山銀行はDJSI(ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス)に9年連続、『世界で最も優れた銀行』に3年連続(フォーブス誌)で選ばれるとともに、アジアマネー誌(Asiamoney)では『台湾で最も優れた銀行』に選出」と謳っていた。
福岡に開業した時点で、TSMC(台湾積体電路製造)工場は熊本(菊陽町)なのに、なぜ熊本ではないのかと頭をよぎったが、やはりTSMC効果がこれほどまでに高まるとは予想外のことで、商業関係が盛んな福岡に出張所を設けるという安全策だったのかもしれない。
それはさて置き、福岡とは目と鼻の先の熊本に「世界で最も優れた銀行」の玉山銀行が進出したことを素直に喜び、下記に、10月25日に行われたオープニングセレモニーの様子を伝える熊本朝日放送(KAB)の映像と読売新聞の記事をご紹介したい。
◆「熊本の重要性増している」台湾・玉山銀行 熊本に出張所を開設 【熊本朝日放送(KAB):20245年10月28日)
台湾の玉山銀行が熊本市に出張所新設…TSMC進出で資金需要、地域密着高め事業強化へ【読売新聞】2024年10月26日】https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20241026-OYTNT50006/
台湾の金融機関「玉山銀行」は25日、熊本市に出張所を新設したと発表した。
玉山銀の九州の拠点としては福岡市に続いて2か所目となる。
半導体の受託製造で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が熊本に進出したことで資金需要が増す中、地域への密着度を高めて事業を強化する狙いがある。
肥後銀行と鹿児島銀行を傘下に持つ九州フィナンシャルグループの本社ビル内に23日、「熊本出張所」を開設した。
台湾に本店を置く銀行が直接、熊本に拠点を設けるのは初めてだ。
台湾人スタッフを含む5人体制で運営し、台湾企業の熊本進出や、投資家らによる不動産取引を支援するほか、九州に移住した半導体関連工場の従業員らに対する金融サービスなどを行う。
台湾進出を目指す熊本企業の支援も手がける。
玉山銀は台湾の中小企業向け金融の最大手で、TSMCのサプライチェーン(供給網)を担う企業との取引も多い。
TSMCの熊本進出を受けて2022年に肥後、鹿児島両行と業務提携を結んだ後、23年9月に福岡市・天神に台湾系銀行として初めて支店を開設するなど、九州で足場を固めつつある。
玉山銀の黄男州会長は25日、熊本市で開いた記念式典で「半導体のサプライチェーンで九州・熊本の重要性が増しており、投資機会が生まれている」と述べ、事業拡大に意欲を示した。
◆九州進出相次ぐ
台湾の金融機関による九州進出を巡っては、中国信託フィナンシャルホールディング傘下の東京スター銀行(東京)が昨年12月に熊本市に拠点を設けたほか、大手の台湾銀行と中堅の台新国際商業銀行が今年、それぞれ福岡市に進出している。
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