し、天皇陛下からの勲記と勲章が交流協会台北事務所の樽井澄夫代表を通じて伝達され
た。中央通信社が伝えているのでご紹介したい。
記事にも出てくるように、伝達式には親しい友人の蔡焜燦氏なども駆けつけ、その後、
許文龍氏や蔡焜燦氏は李登輝元総統ご夫妻と合流、台北市内で食事を共にされている。
ちなみに、蔡氏が代表をつとめる「台湾歌壇」の11月月例歌会で「ふるきよき日本をこ
よなく愛さるる許文龍氏の受勲うれしゑ」という歌を事務局長の黄教子さんが発表、もっ
とも多い点が入っていた。台湾人も日本人も、心から喜ぶ受章・受勲だった。
なお、秋の叙勲では、台湾からは許文龍(きょ・ぶんりゅう)、黄福慶(こう・ふくけ
い)、林明徳(りん・めいとく)の3氏が旭日中綬章を受章している。
「感謝感激」台日経済促進の奇美創業者・許文龍氏に勲章伝達
【中央通信社:2013年12月3日】
http://japan.cna.com.tw/news/asoc/201312030006.aspx
(台北 3日 中央社)日本政府の今年秋の叙勲で旭日中綬章を受賞した化学メーカー「奇
美実業」の創業者で奇美文化基金会の許文龍会長(=写真中央)に対する勲記と勲章の伝
達式が3日、対台湾窓口機関の交流協会台北事務所で行われた。日台経済発展に多大な貢献
を残した許さんは日本語で「感謝感激」と喜びを語った。
今回の勲章は許氏の日台経済関係の強化や交流促進、日本企業の国際化に貢献したこと
を称えるもので、樽井澄夫交流協会代表(左1)はこれ以外にも東日本大震災発生時の多額
の義捐金をはじめ、被災地の雇用、復興支援への協力に感謝の意を表したほか、許氏が
1953年に設立したプラスチック製造会社は日本の自動車産業、家電産業に必要不可欠な原
材料を提供する世界最大のABS樹脂メーカーに成長したとして、その功績に敬意を示した。
許氏は「私たちが子孫に残すべきものは金銭ではなくて、永続する自然生態、及び深く
厚みのある芸術、人文遺産です」と述べ、自身が制作した新渡戸稲造、八田與一、西川満
などの台湾に貢献した日本人9人の胸像に言及し、彼らの無私の精神に心から感謝し、後生
に記念して偲ぶべきだとする考えを語った。
また、許氏はゆっくりながらもしっかりとした日本語で「台湾と日本はともに励まし合
い、お互いに学び合って、代々に幸福な人生をもたらしたいと望んでいます」と、今後の
日台関係のさらなる発展に期待を示した。
会場には企業関係者や親交のある友人、マスコミなどがつめかけ、記念写真の際に
は“老台北”こと蔡焜燦氏と一緒にファインダーにおさまるなど、和やかな雰囲気に包ま
れた。
(齊藤啓介)