の主催により東京都千代田区の靖国会館で開催した「1・18『台湾正名』決起集会」には
会場あふれんばかりの人々が集い、在日台湾人の外国人登録証明書(外登証)の国籍記載
を「中国」から「台湾」への改正を求める法務大臣宛の決議を採択しました。
当日は台湾メディアも取材に駆けつけ、「自由時報」「中央通信社」「宏観テレビ」な
どで大きく報道されています。下記に19日付「自由時報」掲載の記事をご紹介します。
決起集会は片木裕一・李登輝学校日本校友会理事長の司会によって進められ、まず小田
村四郎・日本李登輝友の会会長は開会の挨拶で、南部利昭・靖国神社宮司が1月7日に亡く
なったことへお悔やみの言葉を述べるとともに、南部宮司が台湾問題にも理解があり、李
登輝氏の参拝を実現したことなどを紹介し、馬英九政権になって台湾正名運動が下火にな
っていることを指摘しました。
柚原正敬・日本李登輝友の会事務局長は、外登証の改正を求めてきたこれまでの経緯の
おおよそを紹介し、その問題点として、身分関係を明確にするという外国人登録法第一条
に違反していること、台湾人の人権を踏みにじっていること、日本政府の見解と異なるこ
と、世界標準に合っていないこと、入管の内規で定める日本の問題であることの5点を指
摘しました。
林建良・メールマガジン「台湾の声」編集長は、 映画「海角七号」が台湾で大ヒット
したのは、台湾人が日本人に対する敬意が残っていることだと指摘し、かつての母国であ
る日本がどうして我々に中国籍を押し付けるのかと訴えました。もっとも近い大国である
日本が台湾をどう扱うかによって世界が台湾をどのように扱うかが変わるとも述べ、日本
への期待感を表明しました。
永山英樹 台湾研究フォーラム会長は、台湾が中国領でない歴史的経緯を説明し、日本
政府はわざと巧妙に中国のためにごまかしを行って中国の政治宣伝に屈し、国民に情報を
隠していると指摘。外登証問題は日本の不正常を打開する突破力となり、台湾は日本の兄
弟国であり、中国の脅威は台湾からやってくるのだから、台湾侵略の正当化を日本政府は
阻止しなければならないと指摘しました。
識者によるアピールでは、外登証問題に当初から取り組んできた陳明裕・在日台湾同郷
会前会長は「街で警察から外登証の提示を求められるたびに、台湾人は屈辱を味わってい
る。これはすべての台湾人が何百回も経験していること。2003年9月、台北での台湾正名
運動デモに多くの日本人が参加してくれたことが印象深く残っている」と感謝を述べまし
た。引き続き、中津川博郷・前衆議院議員、蓮根藤・「台生報」発行人、鈴木信行・「維
新政党・新風」東京都本部代表らが挨拶。
また、日本李登輝友の会神奈川支部が横浜・中華街での署名活動について報告し、台湾
研究フォーラム関西も、大阪で署名活動を行う予定であると挨拶。大江康弘・参議院議員、
西村眞悟・衆議院議員、吉田康一郎・都議会議員、[譫の言弁を取る:セン]徳薫・日本
中華聯合総会会長からのメッセージも寄せられました。
最後に決議文が張信恵・在日台湾婦女会副会長によって読み上げられ、参加者の盛大な
拍手によって採択され、盛会裡に幕を閉じました。決議文は近日中に法務省に届けられま
す。
なお、下記の「自由時報」の邦訳はメールマガジン「台湾の声」によるものです。
(編集部)
日本の団体が台湾正名運動で決起
【1月19日 自由時報】
日社團 發起台灣正名運動
http://www.libertytimes.com.tw/2009/new/jan/19/today-p6.htm
〔中央社東京十八日電〕日本李登輝友の会を中心としたいくつかの民間団体は今日、東
京で「台湾正名」運動決起大会を開催し、日本の法務省に在日台湾人の外国人登録証明書
(身分証)の国籍欄に「中国」と書かないよう要求した。
■在日台湾人を中国籍扱いにするなとアピール
今回の「台湾正名」運動決起大会の主催者は日本李登輝友の会の小田村四郎会長、台湾
研究フォーラムの永山英樹会長、メールマガジン「台湾の声」の林建良編集長。東京の靖
国会館で午後二時に始まり、二百人近くが参加した。
日本李登輝友の会の柚原正敬事務局長は「法務省の入国管理局(境管局)は日本に居住
する台湾人に交付する外国人登録証(略称「外登証」)、自動車免許証などの証明書での
国籍欄で中国と記載しているが、これは『誤った法律方式』で台湾人を無理やり中華人民
共和国の国民と看做すもので、台湾人の尊厳と人権を大きく傷つけるものだ」と述べた。
二〇〇一年から法務省に対し、台湾人の「正名」を要求している林建良氏は、映画「海
角七号」が台湾史上最高の収入記録を打ち立てたことに触れつつ、「台湾人の日本人に対
する感情には深いものがあるが、日本は世界で唯一台湾人の国籍を中国とする国家だ。こ
れは理解しがたいことだ」と話した。また「中国は毎日台湾への侵略を考えている最大の
敵国。日本政府は台湾人の国籍を中国などとするべきではない」とし、「一昨年の十一月、
国民党の総統候補だった馬英九氏も日本を訪問した時、在日本特派員協会の記者会見でこ
の問題について問われた際、『処理しなければならない』と言っていた」と語った。
■台湾人の尊厳と人権を著しく傷つけている
永山英樹氏は「法務省は中国の反応に配慮し、台湾問題では敢えて何も言わない。『台
湾は中国の一部』と言うのは中国の政治宣伝。日本政府は受け入れてはならない」と述べ
た。
西村眞悟衆議院議員はメッセージを寄せ、「今回の『台湾正名』運動の発起はすばらし
いこと」とし、「台湾と中国は歴史、文化、国家アイデンティティ、政治制度などで異な
っている。台湾人の尊厳を正視し、日台間の連帯関係を大切にするべきだ」との考えを示
した。
大会の最後に在日台湾婦女会の張信恵副会長が決議文を読み上げた。決議文には「在日
台湾人の国籍が登録の上で『中国』とされ、台湾人の尊厳を著しく傷つけ、屈辱をもたら
し、誤解を受けさせる状況により、日常生活においても障害が生じており、法務省のこの
措置には強く抗議する」とあった。
主催者は各界に向けてオンライン署名を呼びかけているほか、駅前広場で署名を募る時
もある。第一段階の署名集めは昨年十二月に開始され、今月二十日に締め切られるが、す
でに六千人に近い署名を受けており、後日森英介法務大臣に提出される。
在日台湾人は日本において「外登証」の手続きを行い、常時携帯することが義務付けら
れている。しかし日本駐在の外交官はその必要がない。区役所で外登証の手続きを行う際
には文書上の国籍欄を記入するが、たとえ「中華民国」「中華民国(台湾)」「台湾」と
書いても、交付される外登証には「中国」の二文字が記載されるのだ。