大阪府吹田市は、台北市内に住んでいた人の住所をなんと「中華人民共和国台湾省」
にしている、というから驚きです。
日本李登輝友の会ではこれまで台湾人の外国人登録証問題に取り組んできていますが、
今度は新たに「住民票問題」が発覚しました。事の詳細は、下記に紹介するメルマガ「
台湾の声」(6月23日発行)に紹介された、吹田市出身の「元台湾台北市住民」のレポー
トを読んでいただければよく分かります。
外国人登録証明書では台湾出身者の国籍が「中国」とされ、運転免許証でもその国籍
が「中国」とされています。それに加えて、今度は日本人が住んでいた台北市の住所を
「中華人民共和国台湾省」とされている事実が発覚したのです。
すでに今春、本会事務局でもこの吹田市が発行する住民票を入手し、吹田市に問い合
わせています。
吹田市役所市民課の言い分は「外登証担当者が法務省入国管理局に問い合わせたとこ
ろ、台湾の国名表記は中華人民共和国にという指導だった。『中華人民共和国台湾省台
北市』という表記に抵抗がある場合は『中国台北市』としている」というものでした。
そこで、「では、住民票を申請する際に、『中華人民共和国台湾省台北市』か『中国
台北市』のいずれかを選択できる旨を説明しているのか」と問うと、「それはしていな
い」との返答でした。
これでは、住民票には「中華人民共和国台湾省」と記入されることになってしまいま
す。何ともおかしな措置です。
本より、台湾を「中華人民共和国」とか「中国」と表記すること自体間違っているの
ですから、選択性の提示などは論外なのですが、それさえもやっていないというのです
から、あきれた話です。
日本李登輝友の会では、本年度の事業計画として「『台湾正名運動』の日本における
展開」を掲げ、「日台国交正常化を視野に、『台湾は中国の一部』との誤解を解消する
ため、引き続き外国人登録証明書や住民票などにおける国籍表記問題や地図問題などに
取り組み、政府及び関係省庁や議連などに働きかける。また、李登輝前総統を中心に推
進される台湾の正名運動や制憲運動を紹介する」と明記し、この住民票問題を視野に入
れた活動方針を立て、総会で可決していただいています。
すでに、台湾問題に取り組んでいる国会議員や地方議員などにはこの「住民票問題」
を説明し、解決に取り組んでいただけるよう要請してもいて、反応は上々です。
メルマガ「台湾の声」でも「このような自治体はまだほかにもあるはず」として「こ
のような被害に遭われた方は『台湾の声』編集部にご連絡下さい」と案内しているよう
に、同様の事例は吹田市に限ったことではないはずです。
国会や地方議会でこの問題を取り上げていただかないと、真の解決には至りません。
そこで、この問題に取り組んでいる国会議員や地方議員に提示いたしたく、同様の事例
をご存じの方は、住民票(写しも可)を日本李登輝友の会事務局までお送りいただきま
すようお願いします。PDFでご送付いただいても結構です。
今後、本会としても、自治体への公開質問や意見書、陳情・請願活動を展開すること
で、この問題の解決に尽力していきたいと考えています。皆様のご支援ご協力のほどお
願い申し上げます。
平成19年6月吉日
日本李登輝友の会常務理事・事務局長 柚原正敬
■住民票の送付先
〒102-0075 東京都千代田区三番町7-5-104号
日本李登輝友の会 住民票問題係
TEL: 03-5211-8838 FAX: 03-5211-8810
E-mail: ritouki-japan@jeans.ocn.ne.jp
【6月23日 台湾の声】
前住所を捏造する吹田市役所
元台湾台北市民
お役所というのは、書類上の決まりにばかり囚われて、事実に反することをして平気
な顔をしていることがある。
私の地元の大阪府の吹田市役所もその恥ずかしい役所の一つだ。細かいことかもしれ
ないが、誰かが言わないと、そもそも間違いということにすら気づかなかったりするか
ら一応書いておく。
吹田市役所は住民票に記載される私の前住所を捏造した。
私は吹田に帰ってきたとき、前住所を「台湾台北市中山区林森北路〜」と書いたはず
だが、役人は「台湾」の前に「中国」を書き加えた。私がその書類を提出するときに、
「中国」は間違いなので爪で消して出した。
別の日、住民票が必要になったので、吹田市役所に申請に行った。もらった住民票を
見てビックリ! 私の前住所は「中華人民共和国台湾省」となっていた。
そんなアホな!?
これは、明らかに間違いであり、このような住所は実際には存在しない。台北市は台
湾省ではないのだ。
もう少し深くいまの台湾の行政区画を厳密に説明すれば、台湾の現在の国名は「中華
民国」で、その下に台湾省、福建省、台北市、高雄市がある。
つまり、台北市は行政院直轄市なので、台湾省と同等の地位であり、台北市は台湾省
の一部ではないのだ。また、「中華民国」の福建省と台湾省は実質上凍結されており、
廃止されていると言っても過言ではない。(中華民国福建省の管轄は金門県と連江県だ
けだから、福建省という行政組織はあっても意味がない。台湾省も中央政府と管轄がダ
ブりすぎて置く意味がない)疑うなら、台湾人にいまの台湾省長は誰だ? と聞いてみ
ればよい。おそらく100人中99人が知らないと言うだろう。百歩譲って「台湾省」の存在
を認めるとしても台北市は台湾省ではないのは台湾では常識中の常識だ。
それから、さらに重要なことは、台湾は決して「中華人民共和国」ではないというこ
とだ。こんなことはあたりまえのことだが、それを知っていながら、それに見て見ぬふ
りをして、中国に配慮した気になっている醜い人間がたくさんいるのは嘆かわしいこと
だ。
現在の台湾の総統(大統領)は陳水扁(タン・ツイピイ)、行政院長(首相)は張俊
雄(ティウ・ツンヒョン)であって、中華人民共和国(中国)の胡錦濤・国家主席や温
家宝首相は台湾とは関係ない(台湾人がいくらがんばったって中国の国家主席なんかに
はなれない)。
台湾の台北市は、「中華人民共和国台湾省台北市」ではない。私が住んでいた「中華
民国(台湾)台北市中山区林森北路」がどうしても認められないというのなら、実際に
存在した旧住所「台湾総督府台北州台北市大正町」のほうが、幻の住所を勝手に創作す
るよりましだ。一般的に、旧住所なら郵便が届く可能性はあるが、存在しない幻の住所
に配達できる神業の郵便配達員はいない。
「中華人民共和国台湾省台北市」という住所は存在しない。実際に存在しない住所を
記載するのは明らかに捏造であり、実際にありもしない住所を妄想しているというのは
実に馬鹿らしい。住所を故意に誤記するというのは相手に対する明らかな嫌がらせであ
り、きわめて失礼な話だ。
ありもしない中華人民共和国台湾省という蜃気楼を夢みている吹田市役所発の郵便物
は千回送り続けたところで台湾には届かない。住所は正確に書かないと、届きませんよ。
吹田の役人らは、台湾へ旅行に行くとき、まさか中華人民共和国の大使館にビザの申
請へ行くのか? そんな隣国事情を知らない恥ずかしい吹田市役所の役人は中華人民共
和国大使館で台湾のビザ発給を死ぬまで待ち続けるがよい。
注:これはほんの氷山の一角に過ぎません。台湾を「中華人民共和国台湾省」と捏造す
る愚かな地方自治体は吹田市に限ったことではなく、このような自治体はまだほかにも
あるはずです。このような被害に遭われた方は「台湾の声」編集部にご連絡下さい。
koe@formosa.ne.jp 「台湾の声」編集部
『台湾の声』 http://www.emaga.com/info/3407.html
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