石破、浜田、長島、清水の4議員が安全保障対話のため台湾を訪問

 本誌前々号でお伝えしたように、鈴木馨祐(すずき・けいすけ)衆議院議員が7月25日から27日まで訪台し、26日に台北市内のホテルで行われた「ケタガラン・フォーラムにパネリストとして登壇。

 この鈴木議員と入れ替わるように、27日からは「新しい日本の安全保障を考える超党派議員の会」が石破茂・元防衛庁長官と浜田靖一・元防衛大臣を共同団長として、安全保障対話を目的に台湾を訪問した。

 訪台団は、石破、浜田両議員と前原誠司・元外相、長島昭久・元防衛副大臣、渡辺周・元防衛副大臣、清水貴之・参議院議員、北神圭朗・元内閣総理大臣補佐官の7人の予定だったが、前原、渡辺、北神の3議員が新型コロナウイルスに感染したため、4議員での訪台になったという。

 空港では外交部の田中光政務次長(副大臣)が出迎え、石破議員が記者会見に応じた。

 訪台中は蔡英文・総統と頼清徳・副総統を表敬訪問し、呉[金リ]燮・外交部長や蘇嘉全・台湾日本関係協会会長、行政院、立法院、国防部、関連のシンクタンクを訪れ、台湾と日本の安全保障の議題について意見交換する。李登輝元総統が眠る新北市汐止区の五指山国軍公墓で墓参りをする予定だと報じられている。

 なお、「日本の安全保障を考える議員の会」の幹事長と事務局長を兼任する長島昭久議員は、7月24日の本会シンポジウム「日台関係の50年」では最初から最後まで熱心に聴き入っていたことを付記しておきたい。

—————————————————————————————–石破・元防衛大臣率いる訪問団が台湾に到着、安全保障が焦点に【台湾国際放送:2022年7月27日】https://jp.rti.org.tw/news/view/id/95627

 日本の超党派議員で構成される「日本の安全保障を考える議員の会」のメンバーが27日、台湾に到着しました。4日間の日程で台湾に滞在し、関係省庁および、安全保障シンクタンクなどとの交流を行います。

 訪問団は、団長を務める、石破茂・元防衛大臣、浜田靖一・衆議院議員、そして長島昭久・元防衛副大臣、清水貴之・参議院総務副会長の4名です。

 石破・元防衛大臣は、空港で取材を受けた際、本来、多くの日本の議員が台湾を訪問する予定だったが、そのうち3人の議員が新型コロナにかかったことから、3名の議員と1名の議員秘書の訪問がかなわなかったと語りました。また、今回の訪台の目的は、台湾と、ロシアによるウクライナ侵攻が起こった前提を中心に、地域の安全保障情勢を広く討論し、意見交換を行うとしています。

 訪台前に岸田政権から指示を受けたのかどうかというメディアからの質問に対し、石破・元防衛大臣は、今回の訪台は、事前に岸田政権と意見交換を行ったものではない。ただし、訪台の行程については日本政府の許可を得ていると語りました。

 石破・元防衛大臣は前日26日の夕方に、自身のブログに、今回の訪台は台湾の政府要人との会談や、国会、軍関係者との意見交換を行う予定だと書き込みました。また、北東アジア地域の平和と安定を実現するためには、この地域における相互対話のできる環境を作り、バランス・オブ・パワーの実現を図らなくてはならないと考えている事を記しています。

 石破・元防衛大臣は、当時の防衛庁長官を退任後、単独で台湾を訪問したことがあり、その際、漢光演習を視察し、台湾海軍の「ラファイエット」に乗船した。これは15年以上も前のことだ。今は当時と状況が全く違う。自身としては、現地を再度訪れて見てみなければ、日本の今後の安全保障政策を論じることはできないと考えていると語りました。

 「日本の安全保障を考える議員の会」のメンバーの訪台について、外交部は歓迎の意を伝えました。台湾滞在中は、蔡英文・総統、頼清徳・副総統を表敬訪問するほか、外交部の??燮・部長、台湾日本関係協会の蘇嘉全・会長と面会するほか、国家安全委員会、行政院、立法院、国防部、および関係シンクタンクを訪問し、台湾と日本、双方の安全保障についてなど重要な議題の意見交換を行います。

 また、訪問団は新北市汐止区の五指山国軍公墓へおもむき、李登輝・元総統の墓参りをする予定です。

 外交部は、今回の「日本の安全保障を考える議員の会」の訪問団のメンバーは、安全保障、外交実務経験において、日本の重量級の国会議員であり、外交部は一行の訪台が、台湾と日本を含む民主主義国家が、世界の民主陣営の強靭さを強化し、共に台湾海峡およびインド太平洋地域の長期的な平和と安定、そして繁栄を強化することを期待しているとしました。

 「日本の安全保障を考える議員の会」の訪台メンバーは、当初は7名の予定でしたが、前原誠司・元外務大臣、渡辺周・元防衛副大臣、北神圭朗・元首相補佐官の3名が新型コロナに感染したため急遽、参加を取りやめました。

(編集:中野理絵)

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