海洋基本法 縦割り排して総合戦略を

海洋基本法 縦割り排して総合戦略を
【4月30日 産経新聞「主張」】

 松原遠く…と歌い始める文部省唱歌「海」や「われは海の子」「浜辺の歌」など、四
方を海に囲まれた日本には海辺の光景を歌った名曲が数多い。海が身近な存在であった
ことの何よりの証しだろう。しかしいま、それらはあまり歌われなくなり、海への意識
も遠くなった。

 このほど成立し7月にも施行される海洋基本法は、総合的な海洋政策を進めていく要
諦(ようてい)である。海への意識を喚起し、国際的には周回遅れとされる海洋戦略を
早急に構築してほしい。

 「海洋国家」であるはずなのに、これまで基本法制定には強い関心は払われてこなか
った。統括省庁もなく担当大臣もいない。国としての海洋戦略は何もなかったに等しい。

 いま、日本の周辺海域には多くの国家間問題が存在する。中国とは東シナ海のガス田
開発、韓国との竹島付近での海域調査、ロシアとの北方領土、そして北朝鮮の工作船暗
躍、台湾も含む近隣諸国との漁業問題などだ。

 国際社会は1994年、海洋の保護と有効利用を目的に国連海洋法条約を発効させた。
条約は、沿岸12カイリの領海と200カイリの排他的経済水域(EEZ)をその国の管理海
域とすると定めた。アジアでいち早く反応したのが中国と韓国だ。海洋問題の責任官庁
を設けて戦略としての海洋政策を推進、ガス田開発や海域調査は条約への素早い対応に
ほかならない。

 ところが、日本では海洋問題の管轄は、資源開発が経済産業省、漁業は農林水産省、
港湾整備は国土交通省など8省庁に分かれて、対応は後手にまわった。有事の際の海上
自衛隊と海上保安庁の役割分担も判然とせず、海洋国家とはいえない状態が続いている。

 基本法では、海洋基本計画策定を義務付け、首相を本部長とする総合海洋政策本部を
設置、海洋担当相を置くとする。政策本部で国家戦略としての海洋政策が推進されるが、
従来の縦割りが存続するようだと機能しない。

 政策遂行には国内法整備に加え、情報収集や調査分析が不可欠となる。国際会議で各
省庁からの担当者がめまぐるしく代わるようでは、ますます蚊帳の外に置かれてしまう。

 日本を真の海洋国家に変えるためにも、専門家の育成を含めた体制づくりが急務だ。


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