朝日新聞が「日台FTA」締結を提言

朝日新聞が「日台FTA」締結を提言
台湾の総統選挙後、日本のメディアがその結果を分析していろいろな見方を提示してい
る。

 例えば、読売新聞は16日付の社説において「台湾の有権者は、中国との融和路線による
中台関係の安定を選択したということだろう」と、台湾の人々が望んだ「現状維持」が反
映されているとして、今後の「カギを握るのは経済成長である。中国との安定した関係を
維持すること」が求められ、「台湾経済の活況がこのまま続けば、日本の台湾向け輸出の
堅調さも維持される」から、台湾有事などにならないよう「馬総統には慎重なかじ取りを
望みたい」と述べた。

 産経新聞はやはり16日付の社説で、馬英九候補が前回(2008年)より票差を大幅に詰め
られたのは和平協定締結を持ち出したことに最大の原因を求め、「大多数の民意は対中関
係の安定と同時に、事実上の独立状態にある『民主台湾』を維持することだ」とし、また
台湾海峡の平和と安定は「日米韓をはじめとする周辺国にとっても極めて重要」なので、
「馬英九政権に日米同盟との一層の関係強化を期待するとともに、日米もそのためにより
積極的に努力してほしい」と述べている。

 大方の日本メディアの論調はこの2紙の社説とほぼ同じ観点から総括している。朝日新聞
も同様で、「台湾の民意は政治対話をまだ望んでいない。馬氏は慎重に対応すべき」とし
ている。

 しかし、朝日は馬英九氏に「慎重な対応」を求めると同時に、一歩踏み込んで「日本は
自由貿易協定を結ぶなど関係の強化をはかり、台湾の善意にこたえなければならない」と
提言していることに注目したい。

 産経は「日米の積極的努力」と書いたが、具体的には述べていない。その点で朝日は「日
台FTA」締結という具体的な目標を提示している。それも、日台関係を強化するための
具体策として提示している。同感である。下記に社説の全文を紹介したい。

 実は、これまでの日本には台湾政策がなかったと言ってよい。台湾に関しては全て中国
政策の裏返しだった。あるいは、現地任せだった。日本は朝日提案のように明確な台湾政
策を打ち出すことが大事なのである。

 日本が「日台FTA」を締結することができれば、馬英九政権の中国傾斜を押し止め、
中国が日台関係へ干渉してくる余地を取り除くことができるのである。その点で、付言す
るなら、日本はそろそろ「集団的自衛権の行使」ができるよう早急に環境整備を進めるべ
きだろう。台湾有事のためには何を措いても、この「集団的自衛権」が行使されないこと
には、米国と一緒に的確な行動をとれない。

 「国際法上、保有しているが、憲法上、行使できない」とされている日本の「集団的自衛
権」だが、そういうまやかしは百害あって一利もない。台湾を視野に入れれば、解釈に誤
りがあることは歴然としてくる。日本の自主独立のために、そして日米同盟と日台関係強
化のためにも、日本は集団的自衛権をきちんと行使できる環境を早急に整えるべきなのだ。

 馬英九政権にいろいろ望む前に、日本は「日台FTA」締結や「集団的自衛権の行使」
をもって自らの襟を正し、明確な台湾政策を提示して進みたい。


台湾総統選―対中安定を選んだ民意
【朝日新聞:2012年1月16日「社説」】

 中国との交流拡大はよいが、手放しでは歓迎できない――。

 台湾の総統選で、国民党の馬英九(マー・インチウ)総統が民進党の蔡英文(ツァイ・
インウェン)主席らを退けた。示された民意をつづめて言えばこうではないか。

 中台関係は民進党の前政権期に悪化した。馬氏は改善を掲げて4年前の総統選に初当選
し、定期直行便を運航、中国からの観光客受け入れを解禁し、自由貿易圏を目指す経済協
力枠組み協定を結んだ。

 土砂降りの雨に打たれながら勝利を宣言した馬総統は、中国との経済、貿易が拡大した
ことが「支持された」と強調して、「今後4年間もこの政策を続けていく」と明言した。

 確かに、このところの中台関係は活発だ。大陸からの観光客数は日本を上回り、留学生
も来始めている。総統選の期間に中国がミサイル演習で威嚇した16年前から想像できない
ほどだ。

 しかし、台湾に照準を合わせた弾道ミサイルを中国は配備したままだし、台湾周辺での
海軍力も増強している。中台関係の安定はガラス細工のようにもろく、真の平和にほど遠
い。

 だから、馬総統が選挙戦で中国との平和協定を口にした途端に支持率が下がったよう
に、統一に対する台湾の人々の警戒心はなお根強い。

 中国共産党と政府は、馬氏再選が決まった後に「関係の平和的発展の新しい局面をさら
に開き、中華民族の偉大な復興のために共に力を尽くすことを願っている」という異例の
談話を発表し、統一を視野に入れた政治対話に意欲を示した。

 しかし、台湾の民意は政治対話をまだ望んでいない。馬氏は慎重に対応すべきである。

 中国も政治対話を望むのであれば、台湾向けのミサイルを廃棄するなどの誠意を示して、
平和な環境を整える必要がある。秋の党大会で生まれる新しい指導部にそれを強く望みたい。

 蔡氏は前回の民進党候補より得票率を上げたが、対中関係や格差、雇用などの問題で具
体的な対抗策を示すことはできなかった。とはいえ、過去のような対立をあおる選挙運動
はせず、台湾の民主主義の成熟を印象づけたことは評価したい。

 民主的な選挙に縁のない中国の人々もネットなどで大きな関心を示した。台湾を通して
さらに学ぶようになればいい。

 台湾は日本と外交関係はないが、東日本大震災で世界一の額の義援金170億円を寄せたよ
うに、極めて親日的である。日本は自由貿易協定を結ぶなど関係の強化をはかり、台湾の
善意にこたえなければならない。

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