天下分け目の台湾総統選挙─日本でも関心が高まり立て続けに講演会

天下分け目の台湾総統選挙─日本でも関心が高まり立て続けに講演会
台湾は来年1月14日、4年に一度の総統(大統領に相当)選挙を行い、同時に立法委員(国
会議員に相当)選挙も行う。台湾選挙史上初の総統・立法委員のダブル選挙だ。李登輝元
総統は「台湾が直面する問題の解決は、2012年の総統選挙にかかっている」と指摘してい
るように、文字通りの天下分け目の戦いとなる。

 台湾の「正副総統選挙」では、総統候補が副総統候補を指名し、コンビを組んで選挙戦
を戦う。すでに与党の中国国民党は現総統の馬英九氏が名乗り出ており、副総統に現行政
院長(首相に相当)の呉敦義氏を指名している。

 一方、野党の民進党は蔡英文主席が党内選挙で総統候補となり、初の女性候補となった。
蔡氏は、李登輝元総統が1999年に提起した、台湾と中国を「特殊な国と国の関係」とする
「二国論」の起草者ともいわれる。副総統候補はまだ指名していないが、誰になるか注目
されている。

 この総統選挙は、蔡英文氏も馬英九氏も名前に「英」が入っていることから「双英対決」
と称されている。

 4月末の世論調査によると、「明日投票ならどちらを選ぶ」との質問では、蔡英文氏と馬
英九氏の支持率は37%:36%(聯合報)、33.4%:33%(中国時報)と、蔡氏がわずかに
上回っていた。しかし、5月半ばの世論調査では27%:45%(聯合報)、26.9%:34.9%
(中国時報)と、馬氏が8ポイントから18ポイントもリードしていた。

 ただし、聯合報も中国時報も中国国民党系であることを割引いて見なければならない。
事実、ビジネス誌「遠見」による同時期の世論調査では38.6%:38.9%と馬氏のリードは
0.3ポイント差でほぼ拮抗していた。ただ、「遠見」の6月20日に発表した世論調査では
36.3%:41.2%で、馬氏が4.9ポイント引き離し、少し優勢となっている。

 馬氏は早くも6月12日に選挙事務所を開き、執行長には、馬氏と同じ香港生まれの前中国
国民党秘書長(幹事長に相当)の金溥聰氏をつけた。

 一方の民進党も、6月22日に総統選挙対策本部の幹部人事を発表、蔡氏と総統候補を争っ
た蘇貞昌・元行政院長を選挙委員会主任委員とし、総指揮者には馬氏と前回の総統選挙を
戦った謝長廷・元行政院長、総監督には游錫[方方の下に土]・元行政院長、選挙総本部の
幹事長には呉乃仁・元民進党秘書長、執行幹事長には先の五大都市選挙において台中市で
善戦した蘇嘉全・民進党秘書長と、陳水扁時代に台北県長代理をつとめた林錫耀氏がそれ
ぞれ就いている。

 いよいよ盛り上がってきた感のある台湾の総統選挙。日本での関心も高いようで、総統
選挙をテーマとした講演会が立て続けに開かれる。

 6月29日には、本会常務理事の林建良氏(メルマガ「台湾の声」編集長)が、時局心話會
で「双英対決・2012年台湾総統選の行方」と題して講演。また7月1日には、産経新聞の前
台北支局長の長谷川周人氏がマスコミ総合研究所の主催により都内で「台湾の現状と次期
総統選の行え」と題して、同じ7月1日、朝日新聞の前台北支局長だった野嶋剛氏が奈良県
天理市の天理大学中国文化研究会の主催により「馬英九は蔡英文に勝てるか─激戦2012年
総統選挙の展望」と題して講演する。

 また、本会では来年の1月12日〜15日、3泊4日で『総統選挙・立法委員選挙見学ツアー』
を企画、現在、参加者を募集中だ。すでに台湾の選挙分析では定評のある某大学の先生な
どから参加申し込みが届いている。台湾での選挙解説は、日本でもおなじみの前台北駐日
経済文化代表処代表(駐日台湾大使に相当)で津田塾大学名誉教授の許世楷先生と、台湾
独立建国聯盟主席で昭和大学名誉教授の黄昭堂先生という2大豪華解説者にお願いする。

 これらの案内はすでに何度か本誌で掲載しているが、ここにまとめてご紹介したい。

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