突するところから「双英対決」と言われる台湾の総統選挙の投開票が行われる。この総統
選挙は、立法委員(国会議員に相当)選挙も同時に行われる台湾選挙史上初のW選挙だ。
本誌では何度か世論調査結果を紹介しているが、8月5日、「中国時報」が発表した世論
調査では、馬氏が33%、蔡氏が29%で4ポイント差に詰めていて、親民党の宋楚瑜主席の総
統選出馬が取りざたされ、宋氏が10.3%の支持率を集めていることをお伝えした。
最近また「聯合報」と「TVBS」が世論調査の結果を発表しているのでご紹介したい。
まず8月14日に実施した「聯合報」であるが、馬氏:44%、蔡氏:36%と8ポイントの開
きだが、宋氏が立候補した場合は馬氏と蔡氏の支持率に大きく影響し、馬氏:38%、蔡氏:
31%、そして宋氏が15%となっている。
一方の「TVBS」は8月15日に実施、馬氏:46%、蔡氏:39%と7ポイントの開きで、
「聯合報」とほぼ同じ結果になっている。ところが、宋氏を入れた結果では、馬氏:39%、
蔡氏:35%、宋氏:16%となり、馬氏と蔡氏の差は4ポイントまで縮まっている。
宋氏の動向に注目がいくが、宋氏自身ははまだ「総統選挙に出るのに必要な能力、情熱
と経験を持っているが、人的、物的、財力などの客観的条件を考慮しなければならない。
その決断を下すにはまだ時間が必要だ」として立候補を保留しているが、一方で8月10日に
は親民党の立法委員候補として作家の李敖氏など10人を発表している。
この候補者発表は、与党内での勢力を示すための国民党牽制の動きと見えなくもないが、
双英いずれが勝っても、総統選に出馬することによってそれなりの立場が確保できると見
えたら、宋氏は必ず出馬するだろう。宋氏がキャスティングボートを握りそうな立ち位置