本誌では、来年1月14日に投開票が行われる「双英対決」と言われる台湾の総統選挙につ
いて何度か伝えている。この総統選挙は、立法委員(国会議員に相当)選挙も同時に行わ
れる台湾選挙史上初のW選挙だ。
先にTVBSが7月11日に発表した世論調査では、中国国民党主席の馬英九現総統の支持
率は44%、かたや民進党の蔡英文主席は36% で、馬氏がリードを広げて8ポイント差とし
ていた。また「聯合報」が7月15日に発表した世論調査では、馬氏の支持率は43%、蔡氏は
37%で、6ポイント差だった。
8月5日、「中国時報」が発表した世論調査では、馬氏が33%、蔡氏が29%で4ポイント差
に詰めているという。ただ、ここにきて、何と親民党の宋楚瑜主席の総統選出馬が取りざ
たされていて、宋氏が10.3%の支持率を集めているそうだ。それを報じる「台湾国際放送
ニュース」の記事を下記に紹介したい。
先に本誌で伝えたように、宋楚瑜氏は、中国国民党の選挙事務所執行長の金溥聰氏との
裁判沙汰で中国国民党と袂を分かち、立法委員選挙には親民党として独自候補を立てると
報じられ、また宋氏自身が花蓮県の立法委員に立候補するのではないかとの見方も出てい
る。
しかし、李登輝元総統から「切れ者」と最大限の評価を引き出した宋氏だ。対中政策に
も長けた宋氏が出馬することで、投票率もグッと上がるだろう。台湾の将来を決定づける
「天下分け目の総統選挙」となるだろうから、宋氏にはぜひ総統選に出馬してもらいたい
ものだ。
世論調査、馬・総統33%、蔡・主席29%
【台湾国際放送ニュース:2011年8月5日】
台湾の大手日刊紙『中国時報』は5日、来年1月の次期総統選挙に関する最新の世論調査
を発表。与党・国民党の公認候補、馬英九・総統の支持率は33%、野党・民進党の公認候
補、蔡英文・主席は29%、出馬検討中と伝えられる親民党の宋楚瑜・主席は10.3%だった。
親民党は前回選挙では国民党に全面協力したが、今回は独自路線の姿勢を強めている。