和田有一朗議員の日本は台湾と情報共有できるかの質疑に驚きの政府答弁

和田有一朗議員の日本は台湾と情報共有できるかの質疑に驚きの政府答弁

 本誌では、和田有一朗(わだ・ゆういちろう)衆議院議員(日本維新の会)が 所属する外務委員会において、台湾に関する質疑を次々と繰り出していることに注目し、インターネット中継のURLや国会の速記録から質疑応答を紹介しています。

 4月13日は、約3兆7千億円にも及んだ対中ODAについての質疑をはじめ、台湾に関して「日本の現行法内で台湾と公式に情報を共有することができるのか」について質疑し、また「自衛隊法と海上保安庁法の定めるところでは、有事に際して機能的な協力関係が築けないのではないか」と質疑しました。

 この2つの質疑に対する政府答弁には、いい意味で驚かされました。

 情報共有に関しては、上杉謙太郎・外務大臣政務官が「外務省が所管する法令の中で、日本政府が行う情報共有について、特定の相手との間で行うことを禁止するようなものはございません」と答弁しました。なんと国交のない日本と台湾であっても情報の共有はでき、それも内容が安全保障であってもいいというのが現行法の定めるところだというのです。

 和田議員は、それなら外務省は台湾との情報の共有や交換を民間機関の日本台湾交流協会に任せず、堂々とやればいいのにと考えたようで「政策的に非常にパイプを自分たちで絞ってしまっているということにほかならない」と苦言を呈し、日台がきちんと静観に置いて「対話ができるような状況をやはり私はつくるべきだ」と提言しています。

 一方、海上保安庁法第25条では「この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない」と定め、自衛隊法第80条では海上保安庁の統制について「特別の必要があると認めるときは、海上保安庁の全部又は一部を防衛大臣の統制下に入れることができる」定めていることについて、有事など重大な緊急事態において自衛隊と海上保安庁の行動に食い違いが出るのではないかという質疑には、鬼木誠・防衛副大臣が答弁し「自衛隊法第八十条と海上保安庁法第二十五条とは矛盾するものではございません」と答弁、法的な矛盾はないと明言しました。

 さらに鬼木防衛副大臣は、海上保安庁との緊密な連携の重要性に言及し「防衛省・自衛隊は平素から、武力攻撃事態を含め、あらゆる事態に適切に対応できるよう、海上保安庁との間で情報共有を行える体制を維持するとともに、様々な事態を想定して各種の訓練を行い、緊密な連携を保持しております」と答弁するとともに「自衛隊と海上保安庁との連携はこれまでと比較して格段に向上をしております」と付け加えるほどでした。

 この問題では、質疑に対する答弁がしっかり呼応していることが確認でき、和田議員も「しっかりやってください」と応じただけで質疑を終えました。

 国会でこのような質疑がなされなければ、日本が台湾と安全保障を含む情報共有は禁止されていないことも、有事に際して自衛隊と海上保安庁が共同することに法的問題はないことも明らかにならなかったと思われます。和田議員の適切な質疑に敬意を表し、下記に台湾に関する質疑応答の全文をご紹介します。

 また、当日のインターネット中継のURLもご紹介します。

◆和田有一朗・衆議院議員の外務委員会質疑(2022年4月13日 11時24分〜45分 21分) https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=53916&media_type=

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○城内委員長 次に、和田有一朗君。

○和田(有)委員 (中略)

 次の質問なんですけれども、何度も続けてきた台湾との関係の話なんですが、台湾有事に関わるので、私はこれを何度も聞いているんです。現行法、今の日本の法律で台湾と公式に情報を共有する、交換するということは、現行法上、公的には可能なんでしょうか。

○上杉大臣政務官 お答えいたします。

 御指摘の件につきまして、外務省が所管する法令の中で、日本政府が行う情報共有について、特定の相手との間で行うことを禁止するようなものはございません。

 政府としましては、台湾との関係に関する我が国の基本的立場に基づき、我が国の民間窓口機関である日本台湾交流協会を通じ、これまでも幅広い分野で台湾との実務的な情報共有や協力関係を積極的に推進してきております。

 引き続き、台湾に関する我が国の基本的立場を踏まえながら、日台間の協力と交流の更なる深化を図ってまいります。

○和田(有)委員 現行法で規定されているものはない、それをしちゃいけないとは書いていないというふうに今言われました。でも、現実には、民間の立場でしかやりませんよ、こういう表現なんですね。これはどういうことかというと、政策的に非常にパイプを自分たちで絞ってしまっているということにほかならないと私は思います。そう見えます。

 次に、今申されたように、窓口機関としての日本台湾交流協会と台湾日本関係協会の間でやるんですけれども、じゃ、これを、この民間機関の間で、ここも何か難しい聞き方になるんですが、安全保障についての情報交換というのは、公的に民間機関の中でできるんでしょうか。

○上杉大臣政務官 お答え申し上げます。

 日台間では、我が国の民間窓口機関である日本台湾交流協会を通じて、平素から様々なやり取りが行われております。

 御指摘の件につきましては、一例を挙げますと、アメリカ、台湾間で二〇一五年に立ち上げられ、二〇一九年から日本台湾交流協会も参加している人材育成の枠組みでありますグローバル協力訓練枠組みというのがございます。こちらにおきまして、ネットワークセキュリティーと新興テクノロジーに係るワークショップやサイバー犯罪対策バーチャルセミナー等を開催していると承知をしております。 引き続き、台湾に関する我が国の基本的立場を踏まえながら、日台間の協力と交流の更なる深化を図ってまいります。

○和田(有)委員 実務上はやっているんですよという御答弁なんですけれども。

 じゃ、もう一回元へ戻って聞きたいんですけれども、現行法上ですよ、日本の法律上ですよ、台湾の当局者が安全保障について意見交換をすることは、台湾の安全保障について、現行法上、何か規定はありますか。してはいけないとか、何とかかんとかだとか。

○實生政府参考人 先ほど答弁がありましたように、御指摘の点について、外務省所管の法令の中で、日本政府が行うそうした情報共有、その内容が安全保障であるということを問わず、特定の相手との間でそういったことを禁止するというようなものはない、そういう事実関係でございます。

○和田(有)委員 法上、規定しているものはない、禁止もしていない。

 でも、なかなかスムーズには進んでいないと思うんですね。皆さん、御答弁を求めたって、民間の間でやっていますとか、公的にできるんですかと聞いても、いや、民間でやっています、こういう表現なんです。

 こんなことをやっていたって、有事を前にしたという言い方はどうか分からぬですけれども、有事が起こるかも分からないときに、こんな足下がおぼつかない状況では駄目だろう、しっかりと政策転換をして、何がしかの法的な根拠を持たせて、そして、対話ができるような状況をやはり私はつくるべきだろう、こういうふうに思います。

 ちょっと時間がなくなったので、これはもうちょっとやりたかったんですけれども、また次の機会に、違う角度でこのことは聞いてみたいと思います。

 次に、同じような、有事に際してお伺いしたいことがありまして、実は、自衛隊法と海上保安庁法で、若干、一般的に私が読んでみると、何か食い違うような項目というのがあるんです。

 それは、自衛隊法八十条で、実は、一旦有事があったら防衛大臣の下に海上保安庁は入るというようなことが書いてあります。ところが、海上保安庁、二十五条には、軍隊として組織されたものには入らない、こう書いてあります。 何か一見矛盾しているように思うんですが、こういう状況というものについて、政府はどうお考えになっておられますか。

○鬼木副大臣 自衛隊法第八十条においては、内閣総理大臣は、防衛出動又は命令による治安出動を命じた場合において、特別の必要があると認めるときは、海上保安庁の全部又は一部を防衛大臣の統制下に入れることができるとされています。

 これは、重大な緊急事態において、自衛隊と海上保安庁との通常の協力関係では効果的かつ適切な対処が困難な場合に、防衛大臣が海上保安庁を統一的、一元的に指揮運用することを可能とするものでありまして、海上保安庁が実施し得る任務、権限に何らの変更を加えるものではありません。

 統制下に入った海上保安庁は、海上保安庁法に規定された所掌事務の範囲内で、非軍事的性格を保ちつつ、自衛隊の出動目的を効果的に達成するために適切な役割分担を確保した上で、海上における人命の保護等を実施することになります。

 よって、自衛隊法第八十条と海上保安庁法第二十五条とは矛盾するものではございません。

○和田(有)委員 矛盾するものではない、非軍事的なものでそういうあれをするんだ、こう言いましたが、しかし、現場で撃ち合いが始まって、入り乱れて、例えばの話、中国の軍艦と海上自衛隊の護衛艦が向き合って撃ち合ったり追いかけ回したりする中で、その横で、例えば島の周りで何か作業をしている海上保安庁の船が、上手にそういう運用というのが、すみ分けができて、できますか。本当にそういう情報交換とかをきちっとして、そういうことができるんでしょうか。いかがでしょうか。

○鬼木副大臣 まず、法的な矛盾がないということは今お伝えしたとおりでございまして、海上保安庁は警察機関、警察権の範囲での行動をする、そして、さらに、それが困難な状態になったときに、自衛隊がその役割を果たすということで、ここでは、そうした通信や相互の運用についての訓練もしっかり行っているところでございます。

○和田(有)委員 終わりますけれども、通信や、そういう訓練を行っていると。やはり、ようやく、通信もお互いに連携が取れるように、最近とは言いませんけれども、まあ最近ですね、そういうことができるようになったと聞きました。そのレベルですよ。やはりしっかりと、もっと連携が取れるように訓練をして、そして、本当に法的に矛盾がない、すみ分けをするんだというのならば、それができるような、運用をできるトレーニングをしないといけないと思いますが、最後にもう一回、その点についていかがでしょう。

○鬼木副大臣 自衛隊法第八十条に基づく防衛大臣の統制に際して、自衛隊と海上保安庁との緊密な連携が重要であることは言うまでもありません。

 こうした点も踏まえつつ、防衛省・自衛隊は平素から、武力攻撃事態を含め、あらゆる事態に適切に対応できるよう、海上保安庁との間で情報共有を行える体制を維持するとともに、様々な事態を想定して各種の訓練を行い、緊密な連携を保持しております。

 具体的には、相互に使用する通信機器や秘匿通信方法を定めるなど、必要な通信手段を確保するとともに、あらゆる事態に対処するため、例えば海上警備行動命令が発令される事態を想定した共同訓練をこれまでも積み重ねてきております。

 このような取組を通じ、自衛隊と海上保安庁との連携はこれまでと比較して格段に向上をしております。武力攻撃事態を含むあらゆる事態における実効的な対処に万全を期すため、引き続き海上保安庁などの関係機関との更なる連携強化に不断に努めてまいります。

○和田(有)委員 しっかりとやってください。  終わります。

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