台湾研究の先駆者、鈴木満男先生のご逝去を悼む

台湾研究の先駆者、鈴木満男先生のご逝去を悼む
昨夜、メールマガジン「台湾の声」に王育徳先生令嬢の近藤明理さんによる政
治人類学者、鈴木満男先生への追悼文が掲載されたのを読んで驚きました。迂闊
にも、鈴木先生が昨年暮の12月24日に亡くなられていたことを初めて知りました
。心よりお悔やみ申し上げます。
 本会と鈴木先生とのご縁は、本会を平成14年(2002年)12月に設立する際、発
起人となっていただいたことにはじまりますが、愚生とは、出版社時代の平成11
年(1999年)2月に刊行した『「帝国の知」の喪失−戦後日本再考−東アジアの
現地から』(展転社)を担当編集させていただいた頃からでした。
 この本は『日本人は台湾で何をしたのか』よりも2年前に出版されていて、先
生がこれまで発表されてきた台湾に関する数々の貴重な先駆的論考、例えば「日
本を象徴する『教育勅語』と『芝山巌』」、「二・二八事件論」、「台湾史から
戦後日本を見なほす」などが収録されています。
 鈴木先生が初めて台湾の地を踏まれたのは昭和44年(1969年)のことですから
、今から36年も前のことになります。柳田國男門下生でもあった先生は、東大の
学生時代に葦津珍彦先生と巡り合ったことが台湾へ入ってゆくきっかけであり、
博士号取得も葦津先生のアドバイスだったとうかがっています。そんなご縁で先
生は『葦津珍彦著作集』(全3巻)の解題も執筆されました。
 『「帝国の知」の喪失』を刊行後も、著者と編集者という立場を越え、こまめ
にお手紙をいただきました。また山口から、あるいは福岡から上京されるたびに
、定宿とされていた「市谷会館」(グランドヒル市谷)でお会いして、日台関係
など様々なお話を拝聴しました。台湾に対する慈愛こもる眼差しとともに、その
温顔は忘れられません。
 日台関係にとってとても大切な方でした。心からお悔やみ申し上げますととも
にご冥福をお祈りします。
 下記に近藤明理さんの追悼文を転載します。
               メールマガジン「日台共栄」編集長 柚原正敬


 『日本人は台湾で何をしたのか−知られざる台湾の近現代史』(国書刊行会刊
、2001)の著者、鈴木満男先生が 昨年暮れ、12月24日にお亡くなりになりまし
た。78歳でした。
 先生は山口大学教授、ソウル大学招聘教授、台湾・成功大学客員研究員などを
歴任された文化人類学者で、長年にわたり、台湾と関わりをもってこられた方で
す。台湾をより深く理解するために、東京教育大(現筑波大)で台湾語を教えて
いた王育徳の講義を熱心に聴講し続けたことからも、その人柄が偲ばれます。
 2002年の先生のお年賀状にはこのように書かれていました。
「昨年は、初夏に『日本人は台湾で何をしたのか』を上梓することができ、三十
年来の台湾との御縁が一段と深まりました。戦後、我々日本国民を翻弄しつづけ
た「メイド・イン・アメリカ」の迷妄思想の数々。そこから抜けだし、私が自主
的に、そして歴史的に、考えられるようになる上で、台湾の人々との出会いは貴
重な助けでした。わけても「戦前の日本教育」に対する極めて高い評価が、私を
覚醒させたことは多大でした。今は外国人となった旧「同胞」からの”学恩”を
、あらためて有難く感じます。」
 2003年の年賀状です。
「平成13年に引き続き、平成14年も台湾で明け暮れました。二回、鹿耳門(
台南)の文史営に参加しました。文史営とは、いってみれば「台湾民族主義」の
合宿です。台湾ではいま、蒋介石政権による反日教育で育った世代の覚醒が、つ
まり「台湾心」の目覚めが確実に始まっています。」
 心から台湾を愛し深く理解してくださった先生に、台湾共和国の誕生をお見せ
できなかったことをとても残念に思います。
 先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
                               近藤 明理


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