劣勢の民進党、背水の陣の選挙戦略とは? [評論家・作家 宮崎 正弘]

劣勢の民進党、背水の陣の選挙戦略とは? [評論家・作家 宮崎 正弘]
【1月25日「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」通巻第2063号】

劣勢の民進党、背水の陣の選挙戦略とは?
「議会が国民党支配、総統も国民党になれば台湾は主権を失う」

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 劣勢の民進党が次期総統選挙で勝つには、何がパンチか。

 大惨敗後、流れがすこし変わった。

 第一にノーベル化学賞受賞者で、台湾で尊敬を集める李遠哲博士が、明確に民進党支
持を主唱し始めたことだ(22日付け産経、長谷川台北支局長)。

 李博士は何回か首相候補にも擬せられ、その政治発言がときどき話題を呼ぶが、今回
ほど適宜のタイミングを選んだ発言は珍しく、香港や北米チャイナ・タウンの華字紙も
一斉にこの産経インタビューを転載して伝えている。

 曰く。「国民党が立法院(国会)で勝ち、総統でも勝てば台湾は危ないと心配する人
が増えている」。

 第二は民進党の訴え方に、このバランス感覚を微妙に突く戦術転換がみられる。

 「もし議会の四分の三をしめて『一党独大』となった国民党が、総統も占めるとすれ
ば、北京と早急の統一を急ぎ、台湾の主権は失われるだろう。謝長廷・蘇貞昌コンビに
投票し総統だけでも民進党としておくことが台湾の『安全弁』になる」(蘇貞昌副総統
候補、前首相)。

 第三に民進党の地方組織が動きを見せ始めた。

 党内の団結、結束にはまだ距離があるものの、次の総統選挙には負けられないとする
気迫が末端組織に蘇りつつあり、謝長廷(民進党候補)も、「もし馬英九候補が総統に
当選すれば、国民党のいう『終極統一』を北京と合作して、そそくさと仕上げてしまう
懼れがある。『和解・共生』も重要であるが、バランスを失って恐怖政治を復活させる
路を本当に台湾人民が選択するのか。これは謝・蘇への投票をお願いする選挙ではない。
民進党が必ず勝利しなければ、主権と尊厳をつなぎ止めることは出来なくなる。民主価
値を守る選択をする選挙である」(謝長廷、1月20日、台中集会での演説)

 民進党第2代党首だった姚嘉文(現考試院院長)は、「これは党組織の再建と党の改
革の絶好の機会でもあり、党改革が進捗すれば総統選勝利の機会も産まれる」とする。

 また一方で、馬のいう「不統、不独、不武」(所謂“三つのNO”)とは一体、何の
ことか。台湾は主権をもった独立国家ではないか、と批判を忘れない。

▲弁明にはしる馬陣営

 一方、馬英九陣営は防戦にたたされ、演説が弁明調になりがちである。

 馬は「もし私が総統に選ばれても組閣は民進党の人材から抜擢も考慮に入れたい」と
宥和姿勢を前面に出す。

 また若手経営者の研究会に出席して挨拶した折に馬英九は、「1993年から99年まで、
すなわち国民党時代のGDP成長率は、年平均6%、失業率は2・2%だった。2000年から
今日までの民進党施政下では、GDP成長率は鈍化して3・9%台に推移し、失業率は4・3
%に達した。台湾経済を悪くした政策の失敗は明らか。政治の不安定を招いたのは民進
党である。国民党は未来志向であり、両岸関係がさらに改善されれば、経済は良くなる」
と経済争点を浮き彫りにして有利な態勢を守ろうと懸命である。

 ことしの旧正月は2月7日。総統選挙は2月22日からスタートし、投票日は3月22日(土
曜日)。小生はもちろん、取材へ行きます。

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