9月14日、米国連邦議会の上院外交委員会は、ロバート・メネンデス上院外交委員長(民主党)とリンゼー・グレアム上院予算委員(共和党)が提出した「台湾政策法(Taiwan Policy Act of 2022)」案を賛成17人、反対5人の賛成多数で可決した。
本誌でもお伝えしたように、この法案は、台湾に対して5年間で65億米ドル(約9400億円)にものぼる「無償の軍事援助」を行うこととするなど、米国の台湾支援政策を大幅に向上させる画期的な内容だ。また「北大西洋条約機構(NATO)非加盟の主要な同盟相手(MNNA)と同等の形で台湾を扱う」とし、連邦政府機関内で中華民国(台湾)の旗や軍服を見せることを禁じる内規の廃止を国務長官に求めている。
一方、9月28日に、マイケル・マッコール下院議員(共和党)らも「台湾政策法案」を提出したという。
中央通信社は法案の内容について「対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)台北事務所所長(大使に相当)の任命に米上院の同意を必要とする条項は上院外交委員会では削除されたが、下院に提出された法案には盛り込まれている。台湾の在米窓口機関「台北経済文化代表処」の名称を「台湾代表処」に変更することも求めている」と報じている。
今後、上院と下院の本会議で可決され、法案の内容が同じであれば、大統領に回付されて署名すれば法案は成立するが、両院で可決した内容が異なる場合はすり合わせが必要となる。すり合わせて一本化した法案を上院で可決した後、大統領に回付することになる。
もし大統領が法案への署名を拒否した場合、連邦議会の上下両院においてそれぞれ3分の2以上の賛成を得れば法案は成立する。
この台湾政策法案は、上院と下院で異なった内容となる可能性が高いことから、一本化作業に成否がかかっているようだ。「米軍は台湾を守る」と何度も発言しているバイデン大統領が拒否権を発動する可能性は低い。
—————————————————————————————–台湾政策法案、米下院議員が提出=今月中旬、上院外交委で可決【中央通信社:2022年9月29日】https://japan.focustaiwan.tw/politics/202209290007
(ワシントン中央社)マイケル・マッコールら米共和党の下院議員は28日、台湾の防衛力強化などを支援する「台湾政策法案」を提出した。
今月中旬には上院外交委員会で同趣旨の法案が可決されている。下院に提出された法案には、上院外交委員会で可決された法案同様、武器売却の迅速化や今後5年間で65億米ドル(約9400億円)の軍事支援を行うことなどが明記された。
ただ、対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)台北事務所所長(大使に相当)の任命に米上院の同意を必要とする条項は上院外交委員会では削除されたが、下院に提出された法案には盛り込まれている。台湾の在米窓口機関「台北経済文化代表処」の名称を「台湾代表処」に変更することも求めている。
成立には来年1月までに上下両院の本会議で可決された上で、大統領の署名が必要になる。
(徐薇?/編集:楊千慧)
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