ヨーロッパのリトアニアでは昨年11月18日、首都ビリニュスに台湾の大使館に相当する在外公館の名称を「台北」ではなく「台湾」と冠した代表事務所「駐リトアニア台湾代表処(駐立陶宛台湾代表処)」を正式に開設した。日本でも「台北駐日経済文化代表処」であり、米国でも「台北駐米経済文化代表処」と、いまだ「台湾」とはしていない。
周知のように、中国が猛反発し、リトアニアからは大使を引き上げ、経済制裁を加える動きに発展している。
欧州議会はそれに先立つ10月21日、台湾との関係強化をヨーロッパ連合に求める「EUと台湾との政治関係と協力」報告書を賛成多数で可決し、加盟国と共に台湾との政治的な関係を強化すること、台湾をインド太平洋地域における重要なパートナーと民主国家の盟友と見なすこと、EUが台湾に設ける「欧州経済貿易弁事処」を「駐台湾欧州連合弁事処」に改めることなどを提案していた。
今年に入ってからは、1月17日、スロベニア共和国のヤネス・ヤンシャ首相が台湾と「代表処」設置に向けて協議していることを明らかにしている。
このようなさ中、今度は米国で連邦議会の超党派の議員が「台北駐米経済文化代表処」の名称を「台湾代表処」に変更するための法案を提出したという。
ロイター通信は「上院では共和党のマルコ・ルビオ議員とロバート・メネンデス上院外交委員長が法案を取りまとめ、下院では共和党のジョン・カーティス議員と民主党のクリス・パッパス議員が主導した」と報じている。いずれも、これまで何本もの台湾に関する法案を提出してきた親台湾派の議員たちだ。
上院と下院で可決されれば、大統領府に送られ、バイデン大統領が署名すれば法案は成立する。この顔触れからすると、可決される可能性はけっして低くない。今後の動きを注視していきたい。
—————————————————————————————–米超党派議員、台湾代表機関の名称変更へ法案提出【ロイター通信:2022年2月4日】https://jp.reuters.com/article/usa-china-taiwan-idJPKBN2K904C
[ワシントン 3日 ロイター] 米議会超党派の議員らは、米首都ワシントンにある台湾の事実上の駐米大使館となる「台北駐米経済文化代表処(TECRO)」について、名称を「台湾代表処」に変更するための法案を提出した。台湾を自国領土の一部と主張する中国の反発は必至だ。
米国は台湾と正式な国交関係を持たないが、台湾と関係を強化している。
法案は、名称変更に向けTECROとの交渉を開始するよう国務省に要請している。上院では共和党のマルコ・ルビオ議員とロバート・メネンデス上院外交委員長が法案を取りまとめ、下院では共和党のジョン・カーティス議員と民主党のクリス・パッパス議員が主導した。
パッパス氏は「われわれは台湾との外交面での協力関係を強化し、各国を脅かして抑圧しようとする中国に対抗するためこの措置を講じる必要がある」と説明した。
ホワイトハウス、米国務省、ワシントンの中国大使館はコメントの要請に応じていない。
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