菅義偉首相は4月16日午後(日本時間17日午前)、ワシントンでバイデン大統領との初の首脳会談に臨むため、昨夜、羽田空港を出発した。18日に帰国する。
本誌の関心の中心は「台湾海峡の平和と安定」が共同声明に明記されるかどうかにある。産経新聞は「共同声明に盛り込まれれば昭和44年の佐藤栄作首相(当時)とニクソン米大統領(同)の共同声明以来となる」(4月15日)と報じている。
本日の産経新聞(ウェッブ版)によれば、バイデン政権の高官の話として「会談後に発表される共同声明に「台湾海峡の平和と安定の維持」の重要性を明記したい意向を明らかにした」と報じている。下記に紹介したい。
首脳会談では中国の新疆ウイグル自治区と香港の人権状況に「深刻な懸念」を共有し、共同声明に盛り込まれるという。また、半導体をはじめとする戦略物資のサプライチェーンの強化についても話し合われるという。
恐らく共同声明の内容は、米国から事前に台湾にも通知されるものと思われる。
—————————————————————————————–日米首脳会談、共同声明に「台湾海峡の平和と安定」明記の意向 米政権高官【産経新聞:2021年4月16日】
【ワシントン=黒瀬悦成】バイデン米政権高官は15日、ホワイトハウスで16日に開かれる日米首脳会談を前に電話記者会見し、会談後に発表される共同声明に「台湾海峡の平和と安定の維持」の重要性を明記したい意向を明らかにした。
同高官によると、バイデン大統領は会談で、中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区での人権侵害や香港情勢など、中国をめぐる全ての問題について菅義偉(すが・よしひで)首相と詳細に協議したい考えだ。
台湾情勢に関して、中国が台湾の防空識別圏に爆撃機を侵入させるなどの挑発行為を繰り返していることを容認しないとする「明確なメッセージを送る」と表明した。
米政権高官は「米国は、日米関係が強固で、日本が確実かつ安定的な場合においてのみアジアで影響力を発揮できる」と述べ、日米の強力な同盟関係が米政権の目指す「自由で開かれたインド太平洋地域」の実現に不可欠であるとの認識を示した。
同高官はまた、「会談の最も重要な要素」は日米首脳が相互理解と信頼を醸成することだと指摘し、日米の同盟関係が外交・安全保障分野にとどまらず、技術や貿易など多様な分野での連携を果たせるよう、「次の段階に進めていくべきだ」と強調した。
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